アパレル・ライフスタイル業界での転職にまつわる豆知識
アパレル・ライフスタイル業界での
転職にまつわる豆知識
アパレル業界のバイヤーとは、その名の通り商品の買い付けを主に担う職種です。売れる商品をかぎ分け、調達するのが主要な業務となります。アパレル業界の職種としてイメージがしやすく、いつの時代も男女問わず人気があるアパレルの職種の一つです。店舗数や企業によって業務内容は異なりますが、店として決めたシーズンのディレクションをベースに商品を調達し、月ごと・週ごとの展開計画を立てるだけでなく、時には商品開発からプロモーションまで手掛けることもあります。また華やかなイメージがある一方で、全国各地を飛び回って商談を重ねることもあるなど体力勝負のハードな一面もあります。今回は、アパレル業界のバイヤーの仕事とはどんな内容なのか、求められるスキル、役立つ資格、そしてバイヤーに転職するためのキャリアプランをご紹介していきます。
バイヤーの最も重要な仕事の一つは、商品の買い付け、バイイングになります。マーチャンダイザー(※)と設定した買い付け戦略や予算をもとに、シーズンごとにブランドや企業が行う展示会に足を運び、自社に合う商品を探し出して商品を買い付けます。トレンドやマーケットの動向を把握し、売れる商品を買い付けることが重要となります。
(※) マーチャンダイザー とは→→→アパレル業界のMDとは、マーチャンダイジングを業務として行うマーチャンダイザーを直接的に意味する場合もあります。マーチャンダイジングとは、商品化計画を意味し、商品ラインアップやスケジュールの企画、具体的な販売戦略の構築などを行うことを言います。
商品の買い付けの際には、取引先との商談が必要となり、これもバイヤーの重要な仕事の一つと言えます。バイヤーは決められた予算内で、必要な数を仕入れなければなりません。そのためには取引先に交渉することも必要となり、また既存の取引先だけでなく新しいブランドを見つけ、新規の取引先と商談をすることもあります。新規の場合まずはブランド特性などを把握したのち、別途アポイントを取って商談する場合が多いようです。
バイヤーの仕事は、商品を買い付けて終わりではなく、在庫の売れ行き、消化率を把握することが必要になります。売れる商品を在庫の過不足がないように仕入れるのもバイヤーの仕事です。仕入れた商品が余っても、足りなくても会社の利益に大きく関係してくるため、買い付け後の商品の在庫管理をすることが重要になります。そこで得たフィードバックが次のシーズンの買い付けの判断材料にもなります。
アパレルバイヤーは買い付けを行うために最新のマーケットを知り、情報収集を徹底的に行うことも求められます。メディアを見ることはもちろんですが、トレンド情報をいち早く知るために、ファッションショーやコレクション、様々な展示会などに参加することもあります。さらに、優秀なバイヤーになると海外のコレクションを視察に行ったり、欧州の展示会に行くこともあります。
アパレルバイヤーに必要なスキルの1つ目は、コミュニケーション力です。アパレルバイヤーは、関係者に対して適切にかつ分かりやすく問い合わせ・依頼・指示などをしていかなければなりません。例えば、商品の種類、商品の数量、商品の輸送方法などを挙げることができるでしょう。加えて、仕入れ価格をできるだけ下げるために度重なる商談が必要になることも少なくないため、取引先との交渉力も求められます。
アパレルバイヤーに必要なスキルの2つ目は、データ管理能力・分析力です。アパレルバイヤーは、データの適切な管理、およびデータの正しい分析ができなければなりません。具体的には、売り上げの分析、客数の推移の分析などを挙げることができるでしょう。
アパレルバイヤーに必要なスキルの3つ目は、情報収集力です。昨今のインターネットの普及などによって、アパレル業界においても、様々な情報があふれるようになってきています。またトレンドの移り変わりについても、より激しいものとなってきています。したがって、アパレルバイヤーとして円滑に仕事を進めるためには、正しいマーケット情報を収集することが重要だと言えます。
アパレルバイヤーに必要なスキルの4つ目は、語学力です。昨今の流通網の発達などによって、アパレルバイヤーの仕事のフィールドは日本国内
に限らず、海外にまで大きく広がりました。それによって、語学力もアパレルバイヤーにとって重要なスキルの一つとなっています。
アパレルバイヤーの仕事に役立つ資格の1つ目は、ファッションビジネス能力検定です。ファッションビジネス能力検定は、一般財団法人日本ファッション教育振興協会が実施する検定試験です。ファッションビジネス能力検定では、1.マーケティングやマーチャンダイジングに関する理論、2.流通戦略、3.会計など、アパレルビジネスの全般にかかわる知識・技能について、学びます。したがって、アパレルバイヤー、アパレルショップの店長やオーナーなどを目指す人に適した資格であるといえるでしょう。ファッションビジネス能力検定には、1級から3級まであります。
(出典:一般財団法人日本ファッション教育振興協会 http://www.fashion-edu.jp/bis/bis.html)
アパレルバイヤーの仕事に役立つ資格の2つ目は、ファッション販売能力検定です。ファッション販売能力検定は、一般財団法人日本ファッション教育振興協会が実施する検定試験です。ファッション販売能力検定では、アパレル店舗の管理・運営に携わる責任者を目指す人に必要な知識・技能を学びます。具体的には、1.ファッションやマーケティングに関する基礎知識、2.販売マナー、3.アパレル店舗の演出に関する知識などを習得することができます。ファッション販売能力検定には、1級から3級まであります。
(出典:一般財団法人日本ファッション教育振興協会 http://www.fashion-edu.jp/sh/sh.html)
アパレルバイヤーの仕事に役立つことが期待される資格の3つ目は、販売士検定です。販売士検定は、7700万人の受験実績を誇る商工会議所および各地商工会議所が実施する検定試験です。「リテールマーケティング検定」と呼ばれることもあります。具体的には、1.販売に必要な商品知識や販売技術、2.仕入れの管理、3.在庫の管理、4.マーケティングなど、より高度で専門的な知識を持つ人材の育成を目指した内容となっています。販売士検定には、1級から3級まであります。
(出典:日本商工会議所 https://www.kentei.ne.jp/retailsales)
アパレルバイヤーの仕事に役立つ資格の4つ目は、TOEICです。TOEICとは、Test of English for International Communicationの頭文字であり、アメリカの非営利テスト開発機関ETS(Education Testing Service)が主催する英語のコミュニケーション能力を測定するための試験です。外資系企業をはじめとして、英語力を求める多くの企業では、採用選考の際の英語力の目安として、TOEICのスコアが用いられています。
(出典:ETS https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/guide01.html)
未経験からバイヤーに就くケースは稀になります。なぜならバイヤーは店舗の運営や顧客のニーズを把握することが非常に重要だからです。一般的には店舗で販売員、店長などとキャリアを積み、それからバイヤーになるという傾向にあります。もしくは、アシスタントとしてバイヤーの仕事を始め、徐々に経験を積んでいくという方法もあります。ただしアシスタントから始める場合も、販売員経験必須というケースも多々見受けられます。そこでアパレル業界のバイヤー職への転職を目指すのであれば、まずは販売員の経験を積んでおくことをおすすめします。
今回はアパレル業界におけるバイヤーの仕事内容や求められるスキル、役立つ資格、そしてキャリアプランを紹介しました。ファッションセンスに加え、情報収集力・分析力、そしてコミュニケーション能力や語学力が求められるバイヤー。その分ファッションが大好きという人にとっては、やりがいも大きいでしょう。世に出ていないアパレルブランドを発掘して広める・育てるという役割もあります。何より、物を通して人々に新しい感動を与えられる魅力的な職業と言えます。
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