マッキントッシュは、1823年にイギリスのグラスゴーにてチャールズ・マッキントッシュ(Charles Mackintosh)が設立した老舗ブランドです。2枚の生地の間に天然ゴムを塗り、圧着させた防水布を発明し、この素材の発明こそがマッキントッシュの代名詞であるゴム引きコートが誕生するきっかけとなりました。今回は洗練された大人の定番コートの代名詞とも言える、マッキントッシュのゴム引きのコートの魅力についてご紹介していきます。
チャールズ・マッキントッシュにより1823年に設立されたブランドがMACKINTOSHです。スコットランド出身のチャールズ・マッキントッシュは建築家、デザイナー、画家と多才な活動のなかで新しい素材のテキスタイルを発明し、発表しました。ゴム引きコートという新しい素材の防水布はイギリスで瞬く間に有名となり、チャールズ・マッキントッシュはトーマス・ハンコック社と手を結び本格的に洋服として実用化し、雨の中でも服が濡れない乗馬用の防水コートとして売り出しました。
(参照: MACKINTOSH, about, https://www.mackintosh.com/gt/brand-story)
マッキントッシュのゴム引きのコートは、乗馬用コートやレインコートとして全英中に瞬く間に広まりました。機能性の高さから、大戦中には英国軍のレインコートとしても使用されています。大戦時に製作されたコートは、袖口の裏地にレザーを使用し、肩部分に生地の補強を追加するなど、一般的なコートよりもタフに補強されたディテールが特徴でした。また、1997年まで存在した英国国有鉄道会社(British Rail)の前身British Railwaysにも、1940年代に外套ユニフォームとしてコートを支給していました。
(参照: MACKINTOSH, about, https://www.mackintosh.com/gt/brand-story)
マッキントッシュはブランドとして成長を続け、2000年以降はトップブランドと手を組み生地の提供をすると共に自社ブランドを強化し、世界的に有名な高級レインコートブランドとして定着に成功します。これまでにコラボレーションをしたブランドは、日本のヨージ・ヤマモトやエルメス、ルイ・ヴィトン等トップブランドばかりです。イギリス発祥のブランドらしく、当地では昔からの伝統的なテーラリングも現在も行っています。数あるディテールやテキスタイルを自分で選択して、オーダーメイドすることも可能です。
(参照: MACKINTOSH, about, https://www.mackintosh.com/gt/brand-story)
ゴム引きコートとは、2枚の生地の間に天然のゴムを塗り、圧着させた防水生地で製造されたレインコートです。マッキントッシュはこの生地の特許を取得しています。初期のゴム引きコートは画期的ではあったのですが、ゴム特有の臭いや、固さが問題として取り上げられていました。現在は品質の向上もあり匂いは弱くなっているのですが、逆にほのかなマッキントッシュらしい特有の香りに魅力を感じ、購入する往年のファンも多いのです。
(参照: grailed, Mackintosh: The Definition of Waterproof Outerwear, Marc Richardson, May 2 2018, https://www.grailed.com/drycleanonly/mackintosh-history)
防水服を製作するにあたって、問題点として必ず浮上する1つに「縫い目からの浸水」が挙げられます。マッキントッシュのゴム引きコートは生地自体での防水機能に加え、縫い目からの浸水を防ぐために裏側にマスキングテープを貼っています。職人が手作業で接着剤を塗り、テープを重ねた後にローラーで貼り付ける工程を全ての縫い目に行なっています。裏側からもマッキントッシュ独自のデザイン性が伺えるのは魅力の一つと言えるでしょう。
(参照: grailed, Mackintosh: The Definition of Waterproof Outerwear, Marc Richardson, May 2 2018, https://www.grailed.com/drycleanonly/mackintosh-history)
脇下に施された5つのベンチレーションホール(通気口)は、ゴム引きコートの象徴とも言えるディテールです。生地にゴム素材を使用しているため、通気性の向上にこのベンチレーションホールは欠かせません。補強布として、この穴が空く部分にもマスキングテープは使用されています。他ブランドでは通気口が2つだけだったり、ファスナーによって行うものが多い傾向にあります。
(参照: grailed, Mackintosh: The Definition of Waterproof Outerwear, Marc Richardson, May 2 2018, https://www.grailed.com/drycleanonly/mackintosh-history)
マッキントッシュのゴム引きのコートは、他ブランドには無い機能性を備えながら、見た目は極めてシンプルに仕立てられています。生地の配色は豊富でありながら、仕様は基本的にステンカラー、ボタンフライ、箱ポケット、後ろベントのAラインコートが定番です。ここまで無駄が省かれ、機能性が光る上質な服を生み出せるのは、200年近い歴史を重ねてきたマッキントッシュの一つの特徴であると言えるでしょう。
(参照: grailed, Mackintosh: The Definition of Waterproof Outerwear, Marc Richardson, May 2 2018, https://www.grailed.com/drycleanonly/mackintosh-history)
一生モノと言って過言ではないマッキントッシュのコートですが、クリーニングに出せる店舗が少なくクローゼットで眠らせてしまっているという人もいます。そこで重要なのが、汚れを沈着させない毎日のお手入れです。日々のケアは他の素材同様で、着用後は柔らかなブラシで生地表面のホコリを落としてから保管することです。また、雨などに濡れた場合は乾いた布で水分を拭き取り、風通しのいい場所で日陰干しすると、色を綺麗に保つことができます。汗や皮脂汚れがつきやすい襟や袖口は、固く絞った濡れタオルで優しく拭くことで白化や黒ずみを防ぐことができます。
(参照: grailed, Mackintosh: The Definition of Waterproof Outerwear, Marc Richardson, May 2 2018, https://www.grailed.com/drycleanonly/mackintosh-history)
エルメスやルイ・ヴィトン、グッチなどのハイブランドにも、マッキントッシュは生地を提供しています。2000年代に入り、ハイブランドとのコラボレーションを積極的に行うマッキントッシュ。他ブランドからマッキントッシュを知り、ファンになる方も少なくありません。最近ではHYKE、VETEMENTS、CECILIE BAHNSENなどとのコラボレーションが話題を集めています。
(参照: grailed, You See This Coat? Vol 3: Mackintosh Raincoat, Chris Danforth, October 26 2020, https://www.grailed.com/drycleanonly/mackintosh-coat-history)
コレクションラインMACKINTOSHの定番モデルであるダヌーンは、ショート丈の日本人に合うサイズ感のゴム引きコートです。身長低めな方はこのモデルがオススメです。そして色展開が豊富なのもこのダヌーンの特徴です。
(参照: MACKINTOSH, COATS, https://www.mackintosh.com/ke/sets/mackintosh-man-coats)
このクリストンもコレクションラインMACKINTOSHの定番モデルで、ゴム引きでできているので、これ一枚で雨をしのげます。機能性だけではなく、ゴム引き特有のフードの立ち方をするデザインになっており、シンプルで綺麗なシルエットが特徴です。
(参照: MACKINTOSH, COATS, https://www.mackintosh.com/ke/sets/mackintosh-man-coats)
マッキントッシュには、「MACKINTOSH LONDON」という、クラシックモデルを扱うラインもあります。MACKINTOSH LONDONには、ゴム引きコート1番の名作モデルであるDUNKELD(ダンケルド)があります。ダンケルドは、王道のステンカラーコートです。サイズ・デザイン・カラー どれをとってもマッキントッシュの定番アイコンです。マッキントッシュのゴム引きコートの伝統を感じたいのであれば、ダンケルドがオススメです。
(参照: MACKINTOSH, COATS, https://www.mackintosh.com/ke/sets/mackintosh-man-coats)
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