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ラグジュアリーブランドの魅力|MISSONI’ニットの魔術師’による唯一無二の色彩を纏うニット(ミッソーニ)

MISSONI

イタリアのクチュール・ニットブランドの MISSONI (ミッソーニ)。その歴史は1953年、創業者のふたり Ottavio Missoni (オッタヴィオ・ミッソーニ) と Rosita Missoni (ロジータ・ミッソーニ) の結婚を機にゆっくりと動きはじめました。MISSONI は66年よりミラノファッションウィークに参加、現在はふたりの娘である Angela (アンジェラ) がクリエイティブ・ディレクターとしてブランドを引き継いでいます。そんなMISSONI一族にとって、2021年は創業者 Ottavio (2013年逝去) が生誕100周年を迎える記念すべき年です。そこで今回はそんなミッソーニについて詳しくみていきたいと思います。

MISSONI(ミッソーニ)の軌跡

イタリアで夫婦によって創設されたファミリーブランド|MISSONI(ミッソーニ)

ミッソーニ (Missoni)は、1953年にオッタヴィオ・ミッソーニとロジータ・ミッソーニ夫妻により、イタリア、スミラーゴで創立されました。夫のオッタヴィオは、1948年のロンドンオリンピックに出場している元陸上選手で、当時イタリア選手団のユニフォームのデザインを行っていたロジータ・ミッソーニと出会い、結婚します。オッタヴィオ・ミッソーニの祖父が、経営していたニット工場を引き継いだ事がきっかけとなり、ミッソーニがスタートします。しかし当初は、ニット素材を使用したスポーツウエアを生産するメーカーでしたが、思うように経営が伸びず、コンセプトを一新します。カラフルな幾何学模様をイメージしたニットウエアを生産し発表した事で、ミッソーニは一躍注目を集めます。元々高い技術を持つ、ニット職人が手掛けるミッソーニのニットのクオリティは高く、ハイエンドなニットウエアに、アグレッシブルともいえる、色彩豊かな幾何学模様が当時のセレブ達の感性を大いに刺激しました。1960年代は、カラフルで個性的なニットウエアが殆ど存在していなかった事もあり、ミッソーニのニットウエアは大ヒットを記録します。この時から、カラフルで複雑な編み込みを得意とするニットブランドとして、ミッソーニはセレブレティの間へと浸透します。

(参照: THE FASHION POST, https://fashionpost.jp/portraits/195286)

ミラノコレクションデビューからのニットウエア革命|MISSONI(ミッソーニ)

1966年にはついにミラノコレクションデビューし、アイコンとなるニットウエア以外にも独特のカラーとパターンをほどこしたドレスなど、プレタポルテとしても高い評価を得ました。 イタリア版VOGUEのアンナ・ビアッジや、アメリカ版VOGUEのダイアナ・ヴリーランドといった大物エディターに認められたことによって、一躍注目のブランドへと駆けあがっていきました。これまでニットでは難しいとされていた多色編みやジグザグ模様、ストライプなどの機械編みの新しい技術を開発し、ニット業界に大改革をもたらしていったミッソーニは、1970年代には「世界最高のニットブランド」という評価に達し、『ニットの魔術師』、『着る絵画』といった最上級の敬称を得られるまでになったのです。 1973年には、ファッション業界のオスカー賞とも呼ばれる、ニーマン・マーカス賞を受賞しました。そして、ブランド創業から40周年、オッタヴィオとロジータの結婚からも40周年を経た1993年に、イタリア大統領からこれまでのファッション業界に対する優れた功績を称えられ勲章が授与されたのです。 

(参照: A.N.G.E.L.O., A Family Bond: Missoni, https://www.angelo.it/en/vintage-missoni-history-italian-knitwear)

ミッソーニ

”ニットの魔術師”が作る独創的なニットウエア

複雑なニットウエアパターン|MISSONI(ミッソーニ)

イタリア語で炎を表すという意味通り、炎が何重にも重なったような「フェアンマート」柄、レインボーのようなマルチカラーを織り込んだストライプ柄、ジグザグ模様などミッソーニの定番となるデザインは多数存在します。こういった柄をニットで表現することは本来とても難しく、ミッソーニが時間をかけて新しい柄を編むことのできる機械を開発し、今に至ります。実は当初はマルチストライプが定番でしたが、それは導入した機械がストライプしか織れなかったためで、結果としてストライプが有名になったという話があります。 こうしたニットに対する研究とこだわりの結果からミッソーニは『ニットの魔術師』と呼ばれるまでになっていきました。 

色彩の魔術師と呼ばれる大胆且つ、繊細な色使い|MISSONI(ミッソーニ)

もうひとつのミッソーニの特徴といえるのが、『色彩の魔術師』とも言われるカラーの豊富さ、鮮やかさです。この源泉となっているのは「Put Together(プット・トゥギャザー)」というミッソーニに伝わる伝統技法で、1枚のニットに様々なカラーや柄を詰め込むというものです。 魔術師と言われるからにはトリッキーで奇抜なカラーと思われがちですが、実はアバンギャルドなデザインというよりもタイムレスに長く着られるデザインというものを重視しています。 確かにミッソーニのデザインには、マルチカラーで、かつビビットなカラーもよく用いられますが、実はこの配色というのは隣り合った色がお互いに干渉して異なる視覚効果を生み出すオプティカルアートの技法を駆使し、計算し尽くされたものになっているのです。だからこそ、一見すると派手すぎるように見えるカラーコンビネーションでも、全体を俯瞰してみた時に落ち着いて見えるという工夫がされているのです。 

(参照:『着る絵画』イタリアを代表する高級ブランド MISSONI(ミッソーニ)の魅力とは。, https://5hunde-italia.com/2019/10/08/『着る絵画』イタリアを代表する高級ブランド-missoni/)

アパレル転職

次世代へと受け継がれるMISSONIのアイデンティティ

次世代のデザイナー、アンジェラ・ミッソーニによりアップデートされるスタイル|MISSONI(ミッソーニ)

1997年以降はクリエイティブ・ディレクターが創業者の娘であるアンジェラに代替わりし、ニットの素材としてコットンやファーといった異素材をミックスし、シースルー、ラメ、スパンコールといった現代的な素材のミックスアプローチも積極的に取り入れていきます。 さらにビビットカラーに加え、ブラックやホワイト、ベージュなどのベーシックカラーを加えることも多くなり、これまでのミッソーニの伝統と新しい感性を融合させることで着やすく、合わせやすい新しいミッソーニというものが展開されています。 またデザインだけでなく、機能性やフィット感というものも大事にしています。実際に、アンジェラに代わってからはニットだけではなく、ジャージーやシフォンのような薄手で軽く、ストレッチの効いた素材なども取り入れられ、より着心地もよくなっています。 現在、ミッソー二のクリエイティブ面は、全てアンジェラ・ミッソーニが統括しています。アンジェラは、広告の責任者として、ミッソーニに在籍していた時期もあり、ミッソーニのイメージ戦略に関しても長けており、写真家にマリオ・テスティーノ、アート・ディレクターにカリン・ロイトフェルドを起用した事も彼女の采配です。二人のクリエイターにより、現在のミッソーニは、よりアーバンで、リュクスなイメージを発信する事に成功しました。

(参照: missoni, A FAMILY ALWAYS IN FASHION, https://www.missoni.com/world/editorial/brand/history/)

フランスを代表するラグジュアリーストリートブランド、ピガール(PIGALLE)とのコラボレーション|MISSONI(ミッソーニ)

フランスを代表する、ラグジュアリーストリートブランドである、ピガール(PIGALLE)とミッソーニの2017年のコラボレーションは、かなり大きな話題となり、様々なファッションメディアで大きく取り上げられました。今、ミッソーニがファッショニスタや、ヤングセレブレティから注目を集めている大きな要因に、このピガールとのコラボレーションがあることは間違いありません。元バスケットボール選手であり、今最も注目すべきデザイナーであり、インフルエンサーの、ステファン・アシュプールが率いるピガールは、バスケットボールカルチャーを根幹に持つブランドです。ピガールが得意とする、スーベニアジャケットやジョガーパンツ、Tシャツにキャップ、バックパックと言った、スポーティなアイテムに、ミッソーニのニットマテリアルをパッチワークのようにドッキングさせたワードローブは、正にラグジュアリーストリートウエアと呼ぶに相応しいアイテムばかりでした。全体的にパープルを基調としたワードローブは、間違いなくカジュアルウエアではあるのですが、ノーブルな雰囲気を漂わせていました。老舗イタリアブランドと、新生フランスブランドのコラボレーションは、予想以上に相性がよく、ファッションフリークの間では争奪戦が繰り広げられました。このコラボレーションにより、ミッソーニはピガールの主な顧客であるヤングセレブリティーを新たな顧客にすることに成功したのです。

(参照: HOLISTIC STYLE BOOK, ミッソーニ ( Missoni ) ラグジュアリーニットブランドのパイオニアが魅せる色彩豊かなヴィジョン, https://h-stylebook.com/ミッソーニ-missoni-ラグジュアリーニットブランドの/)

まとめ

オッタヴィオ・ミッソーニとロジータ・ミッソーニ夫妻が、ミッソーニをローンチして、60年以上の年月が経ちます。ホームウエアや、デイリーウエアでしかなかったニットを、ラグジュアリーでリュクスなアイテムへと昇華したブランドであるミッソーニは、ニットに無限の可能性を与えました。鮮やかで複雑なパターンのニットを発表し、ニットをトレンドアイテムとして、ファッションセレブに浸透させたミッソーニは、ラグジュアリーニットブランドのパイオニアです。現在は、トータルラグジュアリーブランドとしてのミッソーニを、娘のアンジェラが牽引しています。スタンスの異なるブランドとのコラボレーションも積極的に行うアンジェラ・ミッソーニは、両親から引き継いだビッグブランドを、更にブラッシュアップさせています。しかし、あくまでも、色彩豊かなニットをアイコンとするミッソーニのスタイルは、アンジェラ・ミッソーニがクリエイティブ・ディレクターに就任した今も変わらずに受け継がれているのです。

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