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ラグジュアリーブランドの魅力|PRADAのアイコン、ナイロンバッグが生まれた訳(プラダ)

PRADA

今ではPRADA(プラダ)のカジュアルでありながらシックな定番バッグとして、その存在を知らない人はいないPRADAを象徴する製品となった‘プラダのナイロン製バッグ’。日本でも1980年代に大流行し、ナイロン製のバッグだけでなく、バックと同じくPRADAの逆三角形のロゴプレートがデザインされたナイロン製のキーケース、財布、小銭入れなどの小物を所持することが、一種の社会的なステータスとなっていました。その後2019年にPRADAが発表した『Re-Nylon』というサステイナブルプロジェクトをきっかけに、PRADAのナイロン製品はさらに注目を集めています。そんなPRADAのアイコン、ナイロンバッグが生まれた背景、そしてそのナイロンバッグがPRADAにもたらしたストーリーを今回はご紹介します。

PRADA (プラダ) の歴史

PRADAは、1913年に現在の経営者兼デザイナーであるMiuccia Prada(ミウッチャ・プラダ)の祖父であるマリオ・プラダとその弟のマルティーノ・プラダによって、イタリアのミラノで創業されました。そして現在PRADAの本店がある、ミラノのGalería Vittorio EmanueleⅡ(ヴィットーリオ・エマヌエーレⅡ世のガレリア)にプラダの一号店を構えます。創業当初のプラダは、クロコダイル、パイソン、象やセイウチなどラグジュアリーレザーを使用したスーツケースやトランク、旅行かばん、パーティバッグなどを揃えていました。この高級志向な店舗が成功を収め、開店から6年後の1919年にはサヴォイア王家の御用達ブランドとなりました。順調に事業が進めていたプラダ兄弟は、Via Manzoni(マンゾーニ通り)に2号店を開店、その後、第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけての時代には、プラダの高級革製品というのは時代に全く合わないものとなり、その影響でミラノに開店予定であった3号店もキャンセルとなり、ミラノの本店も爆撃されるという不遇の時代となりました。さらに経営不振が続き、マンゾーニ通りの2号店も閉店に追い込まれ、マリオは1958年に他界します。 その後、二人の娘が後を継ぎ、中産階級に顧客ターゲットを変えたものの、ブランドが大きく飛躍することはありませんでした。そして1978年に現CEO兼デザイナーのMiuccia Pradaが経営を引き継ぐこととなり、そこからPRADAはラグジュアリーブランドとして劇的に飛躍していきます。2020年からJil Sander, Calvin Klein, Christian Diorのクリエイティブディレクターを務めた、Raf Simons(ラフ・シモンズ)が加わり、デザイナーMiuccia Pradaと協業してPRADAのコレクションを発表しています。

(参照:FASHION. LUXURY, The History of Prada: The Story Behind the Name, https://fashion.luxury/brands/history-of-prada/)

プラダ

Miuccia Prada(ミウッチャ・プラダ)のPRADA

PRADAのビジネスは、1978年Miuccia Prada(ミウッチャ・プラダ)のデザイナー就任以降飛躍的に伸びていきました。革新的な伝統を打ち破る新しいスタイルを次々と確立し、 その大きな革新の一つがPRADAのナイロンバッグであり、Miuccia Prada と彼女の夫であるPatrizio Bertelli(パトリツィオベルテッリ)により生み出されました。1983年のスピーガ通りに回転した二軒目のプラダのブティックはまさにそのMiuccia PradaとPatrizio Bertelliの革新を体現しているようなショップでした。さらに1986年には、ニューヨークに3号店をオープンさせ、1990年代に入ると大きな3つの新たなビジネスを始動します。その一つがセカンドラインではなく姉妹ブランドとなるMiuMiu(ミュウミュウ)の設立。これはMiuccia Pradaの幼少時代のニックネームからつけられたブランドネームで、現在では若い女性を中心に人気を得ています。 そして、Patrizio Bertelliの提案からメンズラインの展開も開始します。もう一つが、プラダ・ミラノ・アルテの設立で、後にプラダ財団となりミウッチャがファッションデザイナーとしてだけではなく、アーティストそして経営者としての側面からPRADAの新しい局面を築く第一歩となりました。 

(参照: VOGUE UK, Miuccia Prada, 8 JANUARY 2018, https://www.vogue.co.uk/article/miuccia-prada

PRADAのアイコン、ナイロンバッグの起源

PRADAのアイコンであるナイロンバックを生み出したMiuccia PradaはPRADAのデザイナーに就任した当初についてこう語りました。“その当時、私は私のまわりにあったものが好きではありませんでした。なぜならそれらのスタイルはとても古くて、ブルジョア的なつまらないものばかりでした。私はただそのようなスタイルとは真逆の何か新しい価値を探していたのです。”

(出典:10magazine, FROM ISSUE ONE OF 10+: MIUCCIA PRADA’S ELECTRIC DREAMS https://www.10magazine.com/menswear/miuccia-prada-electric-dreams-from-issue-one-of-10-plus/

ナイロン素材への葛藤|PRADA

1970年代後半Miuccia Pradaは、これまでにない新しいものを作ろうと今までにない革新的な素材を追い求めました。そして行き着いたのが、ミリタリー用品の工場で見つけたPocono(ポコノ)というナイロン素材でした。シルクのように軽く、丈夫で撥水性があり、手触りもよく、この素材を大変気に入ったのです。1984年に、この素材を使って作られたのが、プラダの代名詞ともなる最初のナイロンバックパック“The Vela bag”です。 そしてさらに上質なナイロン素材の開発を追求し、その結果出来上がった糸はとても細く絹よりも高価で貴重なものとなりました。Miuccia Pradaはこのナイロン繊維を使ったバックについてこう述べています。”この上質なナイロンを使ったバッグは革のバッグよりも高価でした。なぜならこのナイロン素材を開発し改良するために3,4年の歳月が必要だったからです。“(出典:Grailed, The History of Prada’s Nylon Love Affair, October 6, 2020 https://www.grailed.com/drycleanonly/prada-nylon-history

その後1988年にPRADAが初めてのウィメンズコレクションを発表した際に、バッグに加えて、アウター、パンツ、ドレス、スーツにこのナイロン生地を使用しました。しかし革新的とはいえ人工的でラグジュアリーブランドが使用する高級素材とは当時みなされていなかった、ナイロンという素材を多用したこのコレクションは、批評家から酷評され、会社からももっと従来のレザーやシルクなどの高級素材を使用した商業的なものを望まれていました。そのような批判的な言葉を受けながらも、Miuccia Pradaは自分の本能に従い、自らが信じるナイロン素材に焦点を当て続けました。この彼女の本能により、後にナイロン素材を使った商品はPRADAの主力商品となり、特にナイロン製のPRADAのバッグは世界中の人々を魅了し、伝統的なラグジュアリーブランドに対して新しい価値観を与えました。そしてNeil Barrett(ニール・バレット)による1995年に発表されたPRADA秋冬のメンズコレクションで、ナイロン素材の柔軟性や、ナイロンが実用性を兼ね備えた洗練されたシルエットを体現できる新世代の素材であることを見事に証明して見せたのです。

(参照:icon-icon.com, The Pocono, Iconic Prada Material, 24 JULY 2020, https://www.icon-icon.com/en/the-pocono-iconic-prada-material/)

アパレル転職

PRADAのナイロン素材の現在と未来

Re-Nylonプロジェクト|PRADA

2019年にPRADAはサステイナブルプロジェクト『Re-Nylon』を発表しました。PRADAはこのプロジェクトについて次のように語っています。“この Re-Nylonプロジェクトは、半世紀以上にわたる合成繊維製造の専門技術を誇るイタリアの織編用糸メーカー、Aquafilとのパートナーシップにより誕生しました。Aquafilは数年にわたって持続可能な素材に関する画期的な研究開発に大規模な投資を行い、素材の品質を落とさずに何度でも再生できる再生ナイロン糸ECONYL®を開発しました。このECONYL®を100%使用したクラシックなPRADAのナイロンバッグ6型から成るカプセルコレクションが2019年に発表します。そしてこのプロジェクトの最終的な目標は2021年末までに、PRADAのナイロンを使用した製品を全てECONYL®に切り替えることです。”

(出典:PRADA Group, PRADA Re-NYLON, https://www.pradagroup.com/ja/sustainability/environment-csr/prada-re-nylon.html

Miuccia Pradaが目を留め、追求し続けたナイロン素材は、PRADAのアイコンとなるバッグを生み出し、今ではサステイナビリティを考える上で重要な役割を果たす素材として改良し続けられています。Miuccia Pradaはナイロン素材の使用について試行錯誤していた時のことについてこう語っています。“急に、ナイロンがクチュールの素材よりも面白く見えてきました。それで、ファッションショーに使うことを決めました。ラグジュアリーとは何かという従来の保守的な考えに異議を唱え、変化をもたらしました。私は今もナイロンに夢中です。”

(出典:PRADA Group, PRADA Nylon, https://www.pradagroup.com/ja/perspectives/stories/sezione-know-how/prada-nylon.html

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