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ラグジュアリーブランドの魅力|GUCCIのロゴ、『GG』 2つのGのモノグラムの歴史(グッチ)

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はじめに

GUCCIのロゴデザインがどのようにして誕生したのか。そのロゴの影響力とは。

GUCCIは長い歴史のあるイタリアのラグジュアリーブランドとして知られています。まずGUCCIと言うブランド名を聞いて思い浮かべるのが、洗練されたデザインの贅沢で高価な製品ではないでしょうか。2015年にAlessandro Michele (アレッサンドロ・ミケーレ)がGUCCIのクリエイティブディレクターに就任してから、GUCCIはその歴史的な洗練されたラグジュアリーブランドという印象に加えて、奇抜さと独創性を兼ね備えた現代のラグジュアリーブランドとして更に進化し続けています。ブランド創業当初からGUCCIの製品が常に贅沢なものとして人々に見られてきた理由の一つが、GUCCIの伝統的なブランドを象徴するロゴ、『GG』 2つのGのモノグラムの存在です。GUCCIのそのロゴは常にブランドの象徴であり、そのロゴが使用された製品の価値を高めています。このGUCCIのロゴデザインがどのようにして誕生したのか、またどのような影響をブランドや消費者に与えているのかをご紹介していきます。

GUCCI の創設者Guccio Gucci(グッチオ・グッチ)の歴史

幼少期に培った美しさに対する感性

1881年、イタリアのフィレンツェでGUCCIの創設者であるGuccio Gucci(グッチオ・グッチ)は生まれました。青年期は英国ロンドンにある貴族御用達の最高級ホテルであるサヴォイ・ホテルにて、皿洗いや配膳係の仕事をしていました。仕事柄、華やかな貴族の立ち居振る舞いや所持品などを間近で目にする機会も多かったことから、この仕事を通して得られた美しさに対する感性や物に対する興味や関心、そして考え方は、その後のGUCCIのブランド作りに大いに活かされたと言われます。

丈夫で美しいデザインのバッグを追求する青年時代

第一次世界大戦が終戦した頃、Guccio Gucciは、フィレンツェに戻り、高級なレザーグッズを扱う店に就職、そして皮革製品の扱い方を叩き込まれ、1921年に自身の会社であるGUCCIを立ち上げました。当初のGUCCIは、イギリスから輸入した鞄の販売と修理を主としていましたが、鞄の修理件数の増加に伴って、鞄の壊れやすい箇所に着目し、どうしたら壊れにくい製品が作れるのか研究を重ね、使い勝手がよく丈夫であり、洗練された美しいデザインのバッグを製造し始めました。

グッチの魅力

ブランドを盛り返したスタッフの力

ブランド力を立て直したクリエイティブディレクターやデザイナーとは

80年代後半、ブランド力が瞬く間に低下したGUCCIでしたが、1994年若干33歳だったTom Ford(トム・フォード)がクリエイティブディレクターに就任後、市場に溢れ過ぎたグッチ製品を丁寧に整理し始め、グッチの伝統的なロゴを含めた昔ながらの洗練されたデザインを現代的にリデザインしたものを取り入れ、コレクションとして発表しました。ブランディングやマーケティングに特に力を入れ、ラグジュアリーブランドとしてのグッチを再構築する事に尽力しました。Tom Fordと共に10年間グッチを率いた彼の右腕でもあったのが、デザイナーのFrida Giannini(フリーダ・ジャンニーニ)です。2002年にGUCCIのハンドバッグデザインのディレクターとして入社し、その後アクセサリーラインのデザイナーなどを経て、2004年以降はレディースウェア、2006年にはメンズウェアのクリエイティブディレクターに就任しました。Tom Fordが築き上げた強烈さと、Frida Gianniniが生み出したジェンダーレスなデザインを経て、現在は後任者であるAlessandro Micheleにより、独創的で斬新なGUCCIのコレクションが発表されています。

(参照:CR Fashion Book, CHARTING THE EVOLUTION OF GUCCI BY DENA SILVER

, MAR 26, 2019, https://www.crfashionbook.com/fashion/a26934683/evolution-gucci-designer/)

ラグジュアリーブランド

GUCCIの『GG』 ダブルGのモノグラムの歴史

GUCCIにロゴデザインのない時代

創設された1921年から1933年まで、GUCCIはブランドのロゴデザインなしで運営されていました。当時Guccio Gucciは、口コミを通じて顧客を増やしてビジネスを維持しながら、限られたマーケティングだけに焦点を当てていました。そのため当時のGUCCIは、ブランド名を認識するためのロゴデザインというものを必要としていませんでした。しかし、GUCCIのビジネスが拡大するにつれ、ロゴデザインはブランドの発展に不可欠な要素となりました。ビジネスの世界での競争が激化するにつれて、Guccio Gucciの息子Aldo Gucci(アルド・グッチ)は世間にGUCCIというブランド名の認知をより広めるためには、まずブランドを象徴するようなロゴデザインの認知が必要であり、ビジネスを更に成功させるための重要な鍵であることに気づきました。

(参照:THE HULA, LOGOMANIA: THE HISTORY OF THE GUCCI LOGO BY MEGAN BANG, MAY 1, 2020, https://thehula.com/blog/logomania-the-history-of-the-gucci-logo/)

GUCCIの『GG』ロゴデザインの誕生

Guccio Gucciの三男Aldo Gucci(アルド・グッチ)は、1933年に彼が事業に参入した年にGUCCIのブランドロゴの作成に乗り出しました。彼は父親と兄弟の行っていたブランドマーケティングを徹底的に見直し、会社にはマーケティング目的で使用できるブランドロゴを付ける必要があると判断しました。 GUCCIのロゴデザインは、2つのGを組み合わせたものであり、それは2つの円またはジュエリーチェーンなどのチェーンリンクをイメージしてデザインされました。2つのGが組み合わされていることに誰もが気付くわけではありませんが、2つのGは、Guccio Gucciのフルネームからきています。Aldo Gucciは、父親が会社を設立するために費やした努力を称え、また彼の3人の兄弟もGUCCIで共に働いていたため、彼の家族のためにGUCCIのブランドロゴをデザインしたいと考えました。 つまりGの一つは家族の名字Gucciから、もう一つのGは父の名前のGuccioからとられたのです。このGUCCIのロゴデザインは、2つのGを組み合わせてデザインされているということで、シンプルでありながら清潔でとても上品な印象を与えます。また隠された要素である2つのGが神秘性と独自性をこのロゴデザインに与えている一方で、万人に理解することが出来、理にかなったデザインであると言えます。ロゴデザインの開発当初は、顧客がブランドを一目で認識できるように、2つのGのロゴの上に「GUCCI」という名前を含めることもよくありました。しかし、何年にも渡ってロゴデザインを使用したブランディングに成功した後、2つのGのロゴデザインはGUCCIの製品を象徴するものとなりました。GUCCIはロゴデザインを用いたテキスタイルを作成し、バッグや財布そして服に使用し始めました。一部の顧客は、2つのGのロゴがデザインされたGUCCIの製品を所持していることを一種のステータスのサインとして、そしてもちろんその製品の持つ創造的な美しさを身につけるために、2つのGを探し求めているのです。

(参照:Logo Coast, In-Depth Look at the Gucci Logo Design, https://logocoast.com/blog/gucci-logo-design/)

ロゴデザイン紛争~ロゴデザインの英国商標を失う~

では、GUCCIにとってロゴデザインはどれほど重要なのでしょうか。 2012年、GUCCIはロゴデザインの英国商標を失いました。英国の知的財産法により、他のブランドが合法的にGUCCIのロゴの偽造品を作成することが許可されたのです。ラグジュアリーブランドとしてのGUCCIにとって、この英国商標権の剥奪は非常に大きな損失でした。 より低価格で低品質のブランドが商品にGUCCIのロゴを使用することは、GUCCIにとっては、これまで築き上げてきたGUCCIの製品の品質やブランド自体への評価を大きく下げることを意味していました。実際にGUCCIは当時このように述べています。“低価格のファッションブランドがGUCCIのロゴデザインを使用することにより、やがてGUCCIのロゴは低価格で低品質な商品を連想させるようになり、GUCCIの評判は大きく傷つけられるでしょう。” (出典:logomyway, Gucci Logo Design and Its History, https://blog.logomyway.com/gucci-logo/)

GUCCIはロゴデザインの商標権を取り戻すため、法廷で争うことを決断しました。しかし残念ながら、GUCCIは裁判で敗訴し、ロゴデザインの英国での商標権を取り戻すことは出来ませんでした。英国では、他のブランドが商品にグッチのロゴデザインを今でも引き続き使用できます。しかし、GUCCIは、英国での商標権の損失後、ロゴデザインの商標権の保持が如何にブランドにとって重要であるかを学び、他の国での商標権の保持に全力を尽くしています。

(参照:logomyway, Gucci Logo Design and Its History, https://blog.logomyway.com/gucci-logo/)

GUCCIの『GG』 ダブルGロゴデザインの魅力

GUCCIの『GG』 ダブルGのモノグラムは80年経った今でも、人々を魅了し人気を集めています。その人気の理由の一つが、GUCCIのロゴデザインが今や多くの人々に高品質、高級の象徴であると認知されており、ロゴデザインが施されている製品を所持していることが一種の社会的ステータスとなっているからです。またGUCCIのロゴデザインの製品が今でも人気なのは、他のブランドがGUCCIのロゴを使って製造したGUCCIの模倣品が多く出回っているためだとも考えられます。2012年の英国でのロゴデザインの商標権の損失により、多くのGUCCIの模倣品が世に出回る結果となりました。しかし、そのことが消費者の高品質で高級の象徴である本物のGUCCIのロゴデザインの製品を所持したいという欲求を更に駆り立てる結果となったと考えることができます。そして、GUCCIのロゴデザインの人気は、発案されてから80年経った今でも大きな変更を加えられることなく、使い続けられているという事実からも証明されています。GUCCIがイタリアのラグジュアリーブランドの頂点に立ち続ける限り、そのダブルGのロゴデザインは永続的に人々を魅了するでしょう。

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