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ラグジュアリーブランドの魅力|DRIES VAN NOTENの耽美なテキスタイル(ドリスヴァンノッテン)

アパレルの転職

DRIES VAN NOTEN(ドリスヴァンノッテン)はベルギー発のラグジュアリーブランドです。

創業者であるDries Van Notenは1958年にベルギーのアントワープで生まれました。DRIES VAN NOTENはブランドとしては30年以上、コレクションは100回を超えるほどの長い歴史を持つにも関わらず、モードの早い潮流に飲まれず消費されないものづくりを続けています。先進的なクリエイションが目に留まりやすいモード業界にありながら、淘汰されずその地位を手に入れるのはどのブランドもが目指すところであるでしょう。これを可能にしているのはDries Van Notenの企業家としての手腕と、そしてひたむきにものづくりに向き合う真摯な姿勢です。特に彼のテキスタイルそして色へのこだわりはとても強く、生地の織り方や素材への探求ぶりは他ブランドの多くのデザイナーからも常に一目置かれています。また伝統的な刺繍などのクラフト技術を巧みにコレクションに取り入れることによって、アフリカやアジア圏などのエスニックな民族調スタイルのテキスタイルをラグジュアリーな中に上手く取り入れているのも彼の作品の特徴です。そこで今回は、そんなデザイナーでありながらアーティスト的なものづくりを見せるDries Van Notenについて、彼のインスピレーションはどこからくるのか、そのテキスタイルはどのように生み出されるのか、そして彼の考えるこれからのファッションについて見ていきましょう。

DRIES VAN NOTEN(ドリスヴァンノッテン)公式サイト https://www.driesvannoten.com/

DRIES VAN NOTENの歴史

幼少期からファッションと共に成長

DRIES VAN NOTENの創業者であるDries Van Noten は、1958年ベルギーのアントワープ生まれます。祖父の代から続く高級品のブティックを経営する家系に生まれ、10代の頃から両親についてパリやミラノに服の買い付けにいくなど、ファッションに携わる環境で育ちます。1977年、アントワープ王立美術アカデミーのデザイン科に入学し、在学中にはフリーランスデザイナーとしてデザインを手がけ、父親の経営するブティックのバイヤーなどにも携わりました。

1981年、アントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、その後、アントワープの政府が企画したモード活性化のためのプロジェクト、生産工場とデザイナーを結びつけるためのコンクールに参加します。当時のメンバーはDries Van Notenを含めアン ドゥムルメステール、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク、ダーク・ ビッケンバーグら後にアントワープの6人※と呼ばれるデザイナーにマルタン・マルジェラを加えた7人でした。

「アントワープの6人」とは…「アントワープ6」とも言われる。1980~1981年にアントワープ王立芸術アカデミー ファッション科を卒業したドリス・ヴァン・ノッテン、アン・ドゥムルメステール、ダーク・ヴァン・セーヌ、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク、ダーク・ビッケンバーグ、マリナ・イーの6人のこと。この「アントワープ・シックス」の著しい評判により、王立芸術アカデミー・ファション科の卒業ファッションショーが注目を浴びるようになりました。

企業家としての手腕を発揮しメンズブランドでチャンスを掴む

1985年、Dries Van Notenが自身の名前のブランドをアントワープにてスタートさせます。1986年、ロンドンコレクションに参加し、バーニーズニューヨークをはじめとした世界的有名ショップの目に留まり、これを機にメンズファッション工場のバックアップを得てDRIES VAN NOTENのコレクションの商品化へのチャンスを掴みます。1989年、アントワープの中心に最初のフラッグショップをオープンします。1991年、パリのメンズコレクションに参加を開始し、その後、レディース分野でもパリコレクションに参加を開始、そして1996年には最初の子供服コレクションを発表するなどビジネスを広げていきました。2000年、最上階からアントワープを一望できる大きな6階建ての元印刷物保管倉庫に会社を移転しました。2017年、3月1日の2017-18秋冬パリコレクションにてレディースコレクションを発表し、1991年のメンズコレクション以来通算100回目のランウェイショーとなりました。

(参照: VOGUE, DRIES VAN NOTEN, https://www.vogue.co.jp/tag/dries-van-noten

ラグジュアリーブランド

Dries Van Notenのオリジナルの感性でインスピレーションをデザインにおとしこむ

Dries Van Notenはコレクションに使用するテキスタイルのデザインの元となるインスピレーションをアート、音楽、デザイン、ダンス、旅行、歴史など、さまざまな分野から得ています。それらのさまざまな分野から得ることのできるインスピレーションは、時にはその空間の雰囲気そのものや、彼が表現したい考え方や姿勢であることもあります。または単に自然の色からインスピレーションを得る場合もあると語っていますDries Van Notenは、“創造性を失わせてしまうほどの情報量に圧倒されることなく、日常やファッションの世界で今何が起こっているかを常に観察し、関わっていくことがインスピレーションを得るために重要な姿勢である。そしてたとえすべての人が創造性の材料として同じインスピレーションを得たとしても、レシピ、すなわち解釈の仕方、考え方が違えばそれぞれ異なる独自のアイデンティティを持った作品を生み出すことが可能となる。”と語っています。 (出典、参照: PREMiEREViSiON, “It’s not enough to make something beautiful…”, The  2 January https://www.premierevision.com/en/magazine/its-not-enough-to-make-something-beautiful/?)

Dries Van Notenインスピレーションの源❘花

花は、Dries Van Notenの服づくりにおいて大切なインスピレーション源となっています。実際、彼の暮らしは花抜きでは語れないほどに花と密接な関係になっています。1840年代に建てられた彼の住む邸宅には広大な庭があり、そこには色とりどりの花たちが季節ごとに美しく咲いています。バラとダリアの庭園や50種類のアジサイ、鮮やかな花以外にも森林地帯などもあり一年中色を絶やすことのない庭からDries Van Notenの作品は生まれているのです。実際に庭の花から受けたインスピレーションは、シーズンを問わず彼の作品に反映されています。

(参照: AnOther, On Colour and Craft: Dries Van Noten & Sterling Ruby in Conversation, https://www.anothermag.com/fashion-beauty/13216/on-colour-and-craft-dries-van-noten-sterling-ruby-in-conversation

Dries Van Notenインスピレーションの源❘アート

Dries Van Notenは度々、アート作品から得たインスピレーションを自身のコレクションに反映させてきました。多くのファッションメゾンが数年ごとに同じスタイルを繰り返しコレクションに用いているのに対し、DRIES VAN NOTENはシーズンごとに新しいアイディア、スタイルを常に生み出しています。その個性的で唯一無二のスタイルを生み出すのにしばしば使われてきたのが、アート作品です。実際にAW2009のWOMENSWEAR COLLECTIONにインスピレーションの一つとして使われたFrancis Baconの絵画作品についてDries Van Notenはこう述べています。“Francis Baconの作品は非常に興味をそそるものであると同時に、どこか恐ろしさを感じます。マドリッドでの彼の展覧会は私に反発心を抱かせ、嫌悪感に近いものまで感じさせました。彼が醜さを使って美しさを定義し、彼の作品を見たものに不快感を抱かせる手法はとても卓越しており、魅力的でした。私は彼が絵画に使用した色たちからインスピレーションを得て、AW2009のコレクションに反映させました。彼の色はすべての色がわずかに空虚感を秘めており、それをコレクションに反映させることにとても苦労しました。”

(出典: SLEEK, Dries Van Noten on the Art that Inspired Him, https://www.sleek-mag.com/article/dries-van-noten-favourite-artworks/

DRIES VAN NOTENのテキスタイル

Dries Van Notenテキスタイルの特徴❘色

Dries Van Notenの色彩感覚は、彼のコレクションからもわかるようにとても特徴的であるということができるでしょう。民族調スタイルの色使い以外には花模様の刺繍や花柄のプリントのように、花をモチーフとしたデザインや色使いも得意としており、色の主張の強い柄物にさらに強い色の柄物を合わせるというような大胆な組み合わせも彼のテキスタイルの特徴です。また複数の手法、色相を組み合わせたテキスタイルを得意としていて、例えばわざと色あせしたようなプリント柄や素材選び、その上に伝統的な豪華な手刺繍を施すことによって、華やかな印象もありながら派手すぎない色使いにまとめ、アンティークな雰囲気も感じさせる斬新で新しいテキスタイルに仕上げていくのです。DRIES VAN NOTENの全体的な色使いは多彩ですが、ベースにはブラックやブラウンのような落ち着いた色味を使用することが多く見られます。

Dries Van Notenテキスタイルの特徴❘デジタルプリント

DRIES VAN NOTENはファブリック印刷のプロセスに革命をもたらした事でもよく知られています。多くの色を使用した複雑なパターンを正確に布に印刷し、独自のテキスタイルを作り出してきました。このインクジェット印刷の技術を利用して、SS2008のコレクションでシルクのドレスを50種類の青色で印刷したテキスタイルで製作し、大きな注目を浴びました。Dries Van Notenは2020年に受けたインタビューの中で、デジタルプリント技術を使うことについてこう述べています。“以前はデジタルプリンティングの技術はもっと制限されたものでした。使う色の数だけコストがかかるため、私たちのデザインした複数の色を複雑に組み合わせたテキスタイルはとても高価なものでした。しかし今では、デジタルプリントの技術の進化に伴い、生産コストも抑えられるようになり、より自由に好きな色を好きなだけ使えるようになったのです。このことは大きな前進と言えますが、デジタルプリントという、全く同じものを全く同じクオリティで生産することを可能にした印刷技術を使うことによって、私たちは不完全さを失うことを忘れてはいけません。私はその不完全さ、機械的な均一的な質感を抑えるために、デジタルプリントのモチーフを手で描くようにしているのです。” (出典、参照: PREMiEREViSiON, “It’s not enough to make something beautiful…”, The  2 January https://www.premierevision.com/en/magazine/its-not-enough-to-make-something-beautiful/?

この彼の言葉からもわかるように、Dries Van Notenは革新的な新しい技術を作品の表現方法に取り入れつつも、いつも‘不完全さ’、言い換えれば職人的な人間の手でもたらされる技術が持つ質感を常に大事にしてきたのです。

Dries Van Notenテキスタイルの特徴❘クラフト、刺繍

DRIES VAN NOTENのコレクションに使用されているテキスタイルの中に刺繍を見ないシーズンはありません。今でこそインドの刺繍技術を取り入れているブランドは数多くありますが、25年以上前から職人の手仕事に注目し現在に至るまでその関係性を続けているブランドはほんの一握りでしょう。カルカッタを拠点とする3つの手刺繍メーカーのうち、2つは未だに彼のために生産を続けています。Dries Van Notenには職人たちの生活・インドの伝統と産業を守るための使命があり、職人たちにはDRIES VAN NOTENのブランドのイメージをともに作り上げる使命があります。そのため、毎シーズンのコレクションには必ず刺繍のアイテムが作られます。それがDRIES VAN NOTENを象徴するものとなり、職人の技術と生活を守ることにもつながっているのです。彼は手刺繍を含めた職人の手によってつくられる装飾について次のように語っています。“私たちのコレクションの中のほとんどの装飾された細部は職人の手で施されたもので、高い技術だけでなく、素材への繊細な感覚によってつくられています。職人の手で生まれる装飾は私たちのブランド、DRIES VAN NOTENにとって欠かすことのできない要素の一つなのです。” (出典、参照: PREMiEREViSiON, “It’s not enough to make something beautiful…”, The  2 January https://www.premierevision.com/en/magazine/its-not-enough-to-make-something-beautiful/?

ドリスヴァンノッテンの魅力

Dries Van Notenの見るファッションの展望

受け継がれるべき熟練技術の継承が途絶えぬことを祈っている

Dries Van Notenは2021年3月に行われたAnOther MagazineでのSterling Rubyとの対談の中で アフターコロナ後のファッションの展望について語っています。“私は私のクリエイションの中でも手仕事としてのクラフトを大切にしてきました。そしてアフターコロナの世界でクラフトはより重要な意味を持つと考えられます。クラフトはファッションとアートを一つに融合させるもので、何かのノウハウとして受け継がれていく必要があるものなのです。しかしどのくらいの熟練の技術を持った小規模のサプライヤーが、この状況を生き残れるのかを私は非常に危惧しています。私たちは今後、この危機以前に私たちが考えていたすべての展望がどの程度、そしてどのように変化するのかを今一度推定していく必要があります。今起こっているすべてのことから学び、私たちが今立っている曖昧になった境界線から前進することが求められているのです。ファッション分野においてだけでなく、これからさらにクラフトはより重要視されていくでしょう。なぜなら、おそらく私たちは、人間的感覚をもう既に少しずつ失いつつあるのだから。” (出典、参照: AnOther, On Colour and Craft: Dries Van Noten & Sterling Ruby in Conversation, https://www.anothermag.com/fashion-beauty/13216/on-colour-and-craft-dries-van-noten-sterling-ruby-in-conversation

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