アパレル業界のDB(ディストリビューター)という仕事をご存じでしょうか。アパレル業界には、商品の買い付けをする“バイヤー”や商品企画から販売を取り仕切る“マーチャンダイザー”など様々な専門職種があります。その中の一つとして、商品の流通に欠かすことのできない仕事がDBです。消費者からは見えにくい仕事であるため、それほど認知されていないかもしれませんが、アパレル業界を支える重要な仕事の一つです。そこで今回は、アパレル業界のDBの仕事内容、仕事に必要なスキル、DBを目指す方法についてご紹介していきます。
DBとは、ディストリビューション(distribution)が基になった言葉であり、“分布・配布”を意味しています。DB(ディストリビューター)の主な仕事は、マーチャンダイザーやバイヤーが仕入れた商品をそれぞれの店舗に分配し、商品の在庫調整をすることです。例えば、同じブランドのショップが、全国に実店舗を複数もっている場合には、それぞれの都市によって、人口や気温、訪れる客層やトレンドなどの条件が異なるため、すべての店舗に同じ商品を同じ量で配布しても、必ず在庫状況に差が出てしまいます。DBは、各店舗の顧客属性や在庫状況などから、どの場所にどのアイテムをどのくらいの分量を配分するかを的確に選定し、在庫状況をコントロールすることが仕事です。
マーチャンダイザーが企画し生産した商品や、バイヤーが仕入れた商品を各店舗に分配する指示をDBが出します。店舗にはそれぞれ規模や特徴があるため、その店舗に合わせた商品の種類や枚数の在庫を送る的確な指示を出します。正しい指示を出すには、普段から店舗のデータを分析し、それぞれの店舗の特徴を把握していることが重要になります。
DBの指示の下、各店舗に商品を振り分けたあと、商品の売上の推移をみて、在庫が余っている店舗から売れそうな店舗に移動させます。例えば、イベントやキャンペーンなどが予定される店舗では売れ行きが高くなるため、多めに在庫を集めます。このように、在庫をコントロールして商品をより多くはけさせ、在庫を減らしていくのもアパレル業界のDBの大切な仕事です。売れるべき店舗へタイミングよく商品を投入するには、普段から実店舗の在庫管理担当のスタッフとコミュニケーションを取っている必要があります。
商品の在庫管理やEC(ネット販売)のために、自社倉庫にて商品管理をしている企業も多くあります。倉庫では、気温や売り上げ状況を見て店舗から引いた商品や、B級品など大量の商品を保管しています。このような倉庫内にある商品を、店舗に再分配することや、アウトレット商品の管理をすることもDBの仕事の一つです。
DBは、売上状況の報告や各店舗のスタッフからのフィードバックを受け、それぞれの店舗の顧客属性から売れ筋となる商品を再度分析していきます。その結果を次のシーズンの商品販売に活かすことは、DBの重要な仕事の一つです。細かい数字の分析からスタッフとのコミュニケーション、プレス担当者との情報交換など、様々な側面から商品の売上を支えています。
DBは、常に様々な情報をアップデートして、日々の仕事に役立てることが求められます。例えば、人気商品のトレンドについて、SNS上の商品への反響、店舗の販売員から寄せられる声、競合他社の人気商品などについて日々情報収集することが必要とされます。
DBの仕事には、様々な数字を基にして分析を行うことが必須です。例えば、店舗ごとの売り上げの規模、店舗ごとの在庫高、店舗ごとの商品回転率などを的確に分析することが求められます。データを基にして仮説を立て、検証をすることが得意な方は、DBに向いているということができるでしょう。
アパレル業界のDBには柔軟な思考能力や対応力が求められます。店舗の売り上げは、様々な要因によって日々変動するものです。例えば、気温の変化、近隣地域におけるイベント、競合他社によるキャンペーンなどを挙げることができるでしょう。したがって、想定外の出来事に対し柔軟に対応をして、解決策を考えることがDBには求められます。
DBは資料作成や情報収集、在庫管理など、PCを使って作業することが多い職種です。そのため、ExcelをはじめとするOfficeソフトやSNSの利用、インターネットの効果的な活用など、中級程度の、PCやインターネットなどのリテラシーが必要とされます。PCの操作に苦手意識がある場合は、Excelの表作成やグラフ作成スキルだけでも身につけておく必要があるでしょう。
アパレル業界のDBになる方法の1つは、まずアパレル業界の店舗の販売員を経験してから、キャリア構築をしてDBを目指すという方法です。店舗の運営を通してアパレル業界で実績を残すことができる販売職の経験をすることによって、社内外での希望の職種への転職や異動が実現できる場合も少なくありません。社内異動を目指す場合は、人事面談や自己申告制度など、会社に対して、自身の希望を伝えることができる機会を活用して、DBへの職種変更を希望していることを伝え続けるようにするとよいでしょう。
アパレル業界のDBになる方法には、アパレル業界の別の職種からの変更を希望するという方法もあります。バイヤーやMD(マーチャンダイザー)など、DBとの関係が深い職種から、DBに転職するケースが多くあります。なお、バイヤーやMDなど、オフィス勤務の仕事は、基本的には経験者の募集が多くなっています。ただ、アシスタントについては、未経験であっても求人が出ていることが少なくないようです。
アパレル業界のDBの主な仕事は、各店舗へ商品を配分する仕事であるため、DBの采配次第で商品の売上が大きく変動します。また、DBは気候などの不確定要素からも投入商品を決定するなど、時には難しい判断も迫られます。大変な仕事ではありますが、分析通りに商品が売れた時には、大きなやりがいを感じ流ことのできる職種でしょう。商品のコントロールを任せることのできる、司令塔としての優秀なDBを探しているアパレル企業も多くあります。
DBを含め、求人数や募集定員の少ないアパレル専門職の転職には、まず業界の情報を積極的に収集することが重要です。転職の際は、アパレル業界に特化した転職エージェントに相談することが成功のポイントです。まずはプロのコンサルタントに相談してみましょう。転職に関する知識はもちろん、現在の募集状況や、あなたの強みを活かせるお仕事をプロの視点で提案してくれます。
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