毎月書店に並ぶ雑誌の中でもひときわ華やかなファッション誌。この華やかなイメージから、ファッション誌の編集者は憧れの職業として人気があります。今回はこのファッション誌の編集の仕事について、ご紹介します。
雑誌の制作は、企画会議からスタートします。どのような内容を掲載するのか編集長やデスクと呼ばれる編集・取材の統括者、そして編集スタッフが集まり、持ち寄った企画を吟味しながら、話し合いを行います。企画が決定すると、制作する担当者も決めます。
企画が決まったら、そのページ内をどのような構成にするのか、ラフ(下書き)を描きます。ビジュアルにこだわったページを作るときには、エディトリアルデザイナーと一緒に打ち合わせをして、ラフを固めていくこともあります。編集長やデスクの許可が出れば、その内容に従って作業を進めていきます。
ビジュアルで魅せるファッション雑誌では、多くのコンテンツで撮影や取材を必要とします。特に撮影の多さは、書籍を主に担当する編集者との大きな違いです。雑誌編集者は、取材対象者へのアポイントや撮影許可の申請、撮影やインタビューのディレクションなど、多くの仕事をこなします。
取材や撮影が終わると、原稿や写真がライターやカメラマンから届きます。届いた原稿をチェックし、内容に修正点があれば、ライターに書き直してもらいます。あわせて写真を選定して使用するカットを決めます。すべての素材が完成すると、それらをエディトリアルデザイナーに渡し、レイアウトをデザインしてもらいます。
レイアウトデザインが完成し、内容をチェックしたら、そのデータを印刷所に届け、試し刷りをしてもらいます。試し刷りで文章やデザイン、色味などを再度確認し、修正点があれば直していきます。問題なければ、作業が完了です。
ファッション雑誌の記者や編集者になるために必ず取得しなければならない資格はありません。そのため、だれでも挑戦できるチャンスの多い職種だともいえます。また、ファッション誌の出版社や編集プロダクションはスタッフの入替えが多く、アルバイト募集をはじめ常に求人がでています。一方で大手出版社の場合はそう簡単にはいかないのが現実です。大手出版社では、毎年少ない新卒採用枠に対してたくさんの入社希望者が殺到します。そのため、常に競争倍率が高く、採用試験に合格するだけでも非常に高いハードルが待ち構えています。
転職で編集者を目指す場合、まずは中途採用をしている出版社や、編集プロダクションを探しましょう。未経験の場合は特に、編集の仕事に少しでも関わり、経験を積むことが大切です。また編集部ではなく、アパレルの広報部のバイト募集などでも近しい経験を積める可能性があります。さらに最近では、Webメディアの編集者という職業も徐々に広がってきたため、紙媒体にこだわらなければ、媒体の数が増えたぶん、編集者になるというハードルは以前より低くなってきているといえます。まずは自分が目指す編集者像を定めて、そこにたどり着くための道を自ら切り拓く必要があります。
ファッション誌の編集者は、取材力だけでなく、文章能力やトレンドに敏感であることも必要です。ファッションを中心としたさまざまな分野に関する幅広い知識に加え、時代を先読みする情報収集力と分析力が求められます。また、締め切りやスケジュールの変更など、チームスタッフなどと共有することも多く、日ごろからたくさんの人と関わる仕事なので、コミュニケーション能力の高さは必須といえるでしょう。
ファッション雑誌の完成には、編集者以外にも多くの人が関わっています。ファッション誌に関わる職業や仕事について、代表的なものを紹介します。
ライターは、書籍や雑誌、Web、メールマガジンなどに掲載される記事を書く仕事です。出版社等の編集者から依頼を受け、取材や集めた資料を基にして執筆を行います。出版社や編集プロダクション勤務後に独立して働く人が多いですが、常に編集者の意向や企画をしっかりと汲み取り、それに見合った質の高い記事を締め切りまでに仕上げる必要があります。
校正とは、雑誌や書籍、漫画、カタログなどを制作する際に、誤植や言葉の用法をチェックしたり、内容のミスを見つけたりする仕事です。原稿をもとに組まれた文字校正紙(ゲラ)を、元の原稿と比べながら、間違いがないか、言葉の使い方はおかしくないかなどを確認していきます。常に集中力を保ち続けなければならない大変な仕事ですが、もし文字や内容が間違ったまま印刷されたことがわかれば、後から莫大な量を刷り直すことにもつながるため、高いスキルを持った校正は欠かせない存在です。
雑誌の広告、ポスター、チラシ、商品パッケージなど、主に印刷物のデザインをする仕事です。主な勤務先は広告代理店や広告制作会社、企業の宣伝部ですが、フリーランスで働く人も多くいます。仕事をする際は、企画内容やコンセプト、ターゲットに沿ったデザインを考案し、レイアウトや編集を行い、印刷や出版の入稿ができる状態までのデータを制作します。場合によっては、イラストを描くイラストレーターや、キャッチコピーを作るコピーライターたちとチームを組んで動くこともあります。
エディトリアルデザイナーは、デザイナーの中でも、書籍や雑誌、漫画、カタログといった印刷物の表紙、目次、本文、写真などのレイアウトをする仕事です。デザイン事務所に所属するほか、実力をつけてフリーランスで働く人も多くいます。雑誌や書籍の内容、コンセプトを正確に理解したうえで、見た目の美しさはもちろん、読みやすさ、必要な情報が読み取れるかといったさまざまな点にまで気を配ってデザインをしていく必要があります。
DTPオペレーターは、デザイナーなどから支給されたデザイン案をもとに、パソコンを使って印刷物の入稿データ制作を行う仕事です。デザイン自体はグラフィックデザイナーやエディトリアルデザイナーなどが中心となって行うのが一般的ですが、勤務先によってはDTPデザイナーが誌面のデザインを考え、レイアウト調整を手掛けることもあります。雑誌が印刷される前の最終段階となるデータを作り上げるため、丁寧に、ミスのないように作業を進めていくことが重要です。また、DTPオペレーターとして経験を積むと、デザイナーへステップアップしていく人もいます。
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