アパレル・ライフスタイル業界での転職にまつわる豆知識
アパレル・ライフスタイル業界での
転職にまつわる豆知識
一昔前まで、アパレルといえば店頭販売が主流でしたが、昨今ではECサイトでの通販購入を行う消費者が増えており、それに伴い、アパレル企業もECサイトの運営に力を入れることが当たり前になりました。職種としてもEC担当者の重要性は増してきており、求人で見かける機会も多くなったといえるでしょう。
しかし、ECサイトの運営は経験とスキルが必要ですが、未経験からECサイトの担当者になるにはどうしたらよいのでしょうか。この記事では、未経験からEC担当になる方法について紹介していきます。
未経験からアパレルECサイトの担当者を目指すのであれば、実際にどの様な業務があるのかを理解することは非常に重要です。業務内容によって求められるスキルも異なるため、異なるスキルを持つ複数人の従業員でECサイト運営を分担しているケースも珍しくありません。
アパレルECサイトの運営業務は大きく「フロントエンド」と「バックエンド」の2つに分類され、そこからさらに細分化されます。それぞれの業務を詳しく解説していくので、ぜひチェックして理解を深めてみてください。
フロントエンド業務とは仕入れや集客に代表される売上に直結する業務のことで、その内容によって「マーケティング業務」と「マーチャンダイジング業務」の2つがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
マーケティング業務とは、アパレルブランドやECサイトについてユーザーに知ってもらうことで販売促進を目指す業務のことです。その手法は多岐にわたり、またウェブマーケティングの世界は変化のスピードも非常に早いため、常にアンテナを張りながら最新のトレンドにキャッチアップしていくことが求められます。
具体的な業務としては、SNSの活用やSEO対策、広告運用等を通じたサイトへの集客は第一に挙げられるでしょう。まずは人を集めなければ商品が売れることはありません。
また、継続的な集客にはつながらずとも、認知拡大やファンの獲得等を目的としたキャンペーンを定期的に打つ施策も有効です。
さらに、人を集めた後のサイトのパフォーマンスを向上させるため、サイトの改善や新規ランディングページの作成といった施策も随時行っていく必要があります。
マーチャンダイジング業務とは、簡単にいえば商品の仕入れと値付けを行う業務です。
どの様な商品を仕入れるか、(あるいはオリジナルであれば制作するか)はECサイトの売上を左右する上で最も重要な要素となります。ファッション通販のサイトを訪れても、魅力的な商品が無ければ決して買うことはありませんよね。ただし、セレクトショップではなくブランドショップの場合、商品の企画はEC担当の担当範囲外となる場合もあります。
また、実際に仕入れた商品のプライジングや仕入れる数量なども、売上の最適化のためには重要な要素となるため、マーチャンダイジング担当者の腕の見せ所といえます。市場とトレンドの分析や過去の売上から数値予測といったスキルが求められます。
バックエンドの業務は、直接売上を左右することはないものの、ECサイトをスムーズに運営し、商品の受注や発送、顧客対応なども行う、裏方的な業務を指します。アパレルECサイトにおけるバックエンド業務をひとつずつ見ていきましょう。
商品情報登録業務はその名の通り、商品の正式な商品名、価格、JANコードといった基本情報を始め、アイテムの写真やサイズ情報、詳細な解説文などを登録する業務です。商品情報の登録はECサイトを運営するためには必要不可欠なため、地味ですが重要な業務といえるでしょう。
また、アパレルECにおいては、商品情報登録の中でもささげ業務の重要性が高くなっています。ささげ業務とは、商品の撮影、採寸、そして原稿(説明文)の3つの言葉から頭文字を取ったもので、ECサイト運営では日常的に使われる単語です。
アパレルにおいては、同じ商品であっても写真が魅力的かどうかで売上が大きく変わるため、ささげ業務、とくに撮影は非常に重要な要素となります。
受発注管理業務は、お客様からの注文が入ってから商品をお客様の元へ届けるまでに発生する一連の業務を指します。具体的には、受注確認、在庫引当、梱包、送り状の作成、発送完了メールの送信、商品到着後のアフターサポート、必要に応じた顧客対応等が該当します。
受注後の迅速かつ丁寧な対応はクライアント満足度の向上とリピート率向上に繋がるため、スムーズな受発注管理業務はECサイトを運営する上でとても重要なポイントとなります。必要に応じ、在庫と連動した物流システムや受注管理システムの選定と導入もEC担当が行います。
バックエンドの最後に紹介するのは、総合管理業務です。これは実店舗に例えるなら店長の様な業務で、売上の数値分析や既存システムの管理・検証、新規システムの導入検討など、ECサイト運営に関する幅広い業務を担当します。
特にECサイトはアクセス数や離脱率、コンバージョン率といったサイトのパフォーマンスや広告のパフォーマンスが明確な数字として検証できるため、総合管理業務の担当者によってPDCAサイクルのスピード・精度が大きく変わります。かなり高い専門性が求められる業務と言えるでしょう。
さて、アパレルECサイトを運営する上での具体的な業務内容を紹介しましたが、EC担当として働く上でどのようなことをするのか、かなり明確になったのではないでしょうか。
ここからは業務内容も踏まえつつ、未経験からアパレルECサイトの担当者になるための方法を具体的に解説していきましょう。
最もシンプルな方法として、未経験OKの求人を探すという方法があります。ただし、求人数自体は大幅に少なくなり、またECサイトの運用経験は無かったとしても、SEOや広告運用等のウェブマーケティングの経験や、あるいはアパレル業界で働いた経験などが求められる可能性も高いでしょう。
いずれにせよ、求人数を多く当たる必要があるため、転職サイト・転職エージェントに多目に登録しておくことをおすすめします。また、総合転職サイト・転職エージェントだけでなく、アパレルに特化したサービスもあわせて利用すると良いでしょう。
アパレル系の企業に就職し、EC担当以外の職種からキャリアチェンジを目指すという方法もあります。
内勤であればEC運用と近い場所で経験を積めますし、販売員からでも社内異動制度が設けられた会社もあります。また、人材育成にリソースを割く余裕がある大手企業の場合、新たにECサイトを立ち上げる際に、未経験から先を見据えてキャリアチェンジできる可能性もあるでしょう。
直接的にECサイト運営に携わった経験が無くとも、ECサイトの運営に活かせる資格やスキルによって、採用への道が開ける可能性もあります。
例えばウェブ解析士の資格はECサイトのパフォーマンスを分析する上で役に立ちます。フォトショップやイラストレーターが扱えれば、商品画像の加工や、サイト内で利用するバナーの作成などができるため、求職時にプラスになるでしょう。
EC担当は資格職ではないため、「この資格・スキルがあれば確実になれる」というものではありませんが、完全な未経験よりも採用される確率が上がることは間違いありません。
最後におすすめする方法は実際にECサイトを運営してみるというものです。
昨今ではWEB制作等の知識が無くても簡単に無料でECサイトを開設できる「BASE」等のサービスが登場しており、ECサイトを持つハードルはそれほど高くありません。ユーザーのニーズを見極めて商品の仕入れと値付けを行い、実際に商品が売れたら在庫の梱包から発送、取引完了までを行う。この様に自らECサイトを運営し、売上を立てた経験は、企業での勤務経験が無かったとしても、転職活動時には強力なアピールポイントとなるでしょう。
未経験からアパレルECサイトの担当者になる方法について解説しました。ECサイトの担当者になりたい場合、実務経験がある方が圧倒的に有利ですが、未経験だからといってなれないかというとそうとも限りません。この記事で解説した実際の業務内容をしっかりと把握した上で、ご自身のこれまでのキャリアやスキルと照らし合わせながら、EC担当としてアパレル企業に採用される方法を考えてみてはいかがでしょうか。
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