デザイナーなどのクリエイターが転職するとき、必須になるツールの一つがポートフォリオですが、作成方法に悩む方は多いのではないでしょうか。ポートフォリオは、「自分にはこんなスキルがある」「課題に対してこんな解決方法を提案できる」といったことを表現するために大変重要です。今回は、アパレルデザイナーの転職に役立つポートフォリオの作り方についてご紹介します。
ポートフォリオとは、就職・転職時に企業へ向けて自分の能力をアピールするための作品集のことを指します。デザインやアート関連など、クリエイティブな職種の選考時に提出が求められるものです。アパレルデザイナーの採用も同様で、面接だけでは確認できない技術面を視覚的にプレゼンテーションできるためポートフォリオを重視する企業は多いです。また、実技試験の結果より重きを置くという企業もあります。
ファッション業界のポートフォリオでは、完成されたデザイン画はもちろん、アイディアなどの制作プロセスをまとめることが必要です。また、作品内容だけでなくポートフォリオそのものの装丁や構成、見やすさなど、総合的なセンスが問われるでしょう。立体作品の全体像や質感を伝えるために、動画で作るというケースもあります。
ポートフォリオ全体の構成は
・自己紹介(自分の趣味や特技などを載せる)
・過去の作品
・応募する会社に見合った作品
・今後のキャリアや入社後のビジョンについて
の4つで作成します。
1つの作品に載せる情報は以下の通りです。
・スタイル画(デザイン画)
・素材
・縫製仕様書
・パターンの縮図
・その作品に対する解説
これらの中から自分の職種で必要なものを選び、作成します。この情報を載せる作品を3〜4点にしぼり、最初に最も自信のある作品を持ってくるようにしましょう。ポートフォリオは自分の作品を紹介する媒体です。一般的に、アパレル業界のデザイナーやパタンナーはこれを製本化したり、ファイリングして面接時に持参します。しかし最近では、手書きのスタイル画を描くことが少なくなっていますので、PDFにデータ化したり、WEBサイトにしたりすることも含まれます。そのため、自分の職種や面接先企業の特徴、面接でのプレゼン内容に応じて、掲載する作品や作成する媒体を変えていく必要があります。
出典:READY TO FASHION MAG
作成前の段階で、準備を行うことで質の高いポートフォリオをつくることができます。雑誌やインターネットでポートフォリオのつくり方やトレンドを参考にポートフォリオ全体の方向性を決めます。企業に合った作品をつくる上での準備は、その企業のホームページを見てコンセプトを把握します。直接店舗へ行き、ブランドの雰囲気やイメージ、よく使用されている素材、スタンダードなデザインを確認することも大変重要です。また、その企業の競合店をいくつか見て、お客様の動向やトレンドを把握しておくとよいでしょう。これらの事前準備を怠らないことで、ターゲットが明確になり、そのブランドにあった作品をつくることに繋がります。また、面接でもその企業の特徴を理解していることが伝わり、良い印象を与えることができるでしょう。
ポートフォリオは基本的にそれぞれのブランドにあったものを毎回準備します。これまで制作に関わった作品を数点用意する以外に、志望するブランドに合った作品を数点、新たに作ることをおすすめします。新たに作品を作る際は、そのブランドのコンセプトやテイストに合ったもの、そのブランドで売れそうなものをリサーチしてつくることが重要です。
また、トレンドを意識することも大切です。スタイル画は1つのスタイリングを描くことになりますが、その中の一部にトレンドのアイテムやデザインを入れることで、感度の高さや市場のニーズをくみ取る力などをアピールできるでしょう。
ポートフォリオの項目の中で、一番大切なのはその作品に対する解説です。解説文には
その作品のポイント、作成の意図、事前に行ったリサーチ結果、制作のプロセスなどを盛り込みながらつくっていきます。ここで自分がどのような意図でこの作品をつくったのかを丁寧に解説することで、面接官に自分に特性が伝わります。また、面接で実際に話したい内容を考えながら解説文を書くことで、面接が上手く進むということにもつながるでしょう。
アパレル業界の転職で評価されるポートフォリオとはどのようなものなのか、重視される点についてご紹介します。
アパレル業界のクリエイティブ職のポートフォリオで、重視される点の1つ目は、「その人らしさ」です。他にはないオリジナリティを出すことができると、担当者の目に留まりやすくなります。ここでは、ポートフォリオが、「魅力的」であることはもちろんのこと、他にはない「新しさ」のあるデザインであるかどうかということが、とても大切になります。また、解説文や作品制作の過程などからも、自分の特性や能力をアピールすることができます。
2つ目は、「作品の完成度」です。一つの作品のだけではなく、すべての作品の完成度が高いと、担当者から、「確かなスキル」があると判断されやすくなります。したがって、作品の数よりも、完成度が高く自信のある作品に絞って掲載することを心がけるようにしましょう。
3つ目は、「情報が分かりやすい」ということです。作品の質やレベルだけではなく、ポートフォリオが、相手に伝わりやすくまとめられているか、という点も選考の際に重要視されます。この点からは、応募者のコミュニケーション能力や情報発信スキルといった総合力が見定められていると考えられます。
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