アパレル・ライフスタイル業界での転職にまつわる豆知識
アパレル・ライフスタイル業界での
転職にまつわる豆知識
ファッション業界で活躍されているオシャレな方々にインタビューするこの企画。今回はTOMORROWLANDで人事採用担当の雫田葵さんにお話をお伺いしました。
新卒でご入社され、販売職からキャリアをスタートされた雫田さん。どうしてTOMORROWLANDに入られたのか、どのような経緯で人事に異動されたのか...など、いろいろとお話を聞かせていただきました!
―入社の経緯は・・・
森田夏乃(以下森田):どうしてTOMORROWLANDに入られたんですか?
雫田葵さん(以下雫田さん):もともとファッションの道に興味があって、本当は専門学校志望だったのですが両親の勧めもあり大学へ行きました。その時に『アルバイトからスタートしたら?』とアドバイスをもらって、ファストファッションでアルバイトをスタートしました。その時から人と話したり、コミュニケーション取ることが好きで就活をアパレル一本に絞りました。TOMORROWLANDはその時まだあまり知らない会社でした(笑) ただ、 当時の人事やスタッフの方の 『トレンドに左右されないファッションを、何歳になっても楽しんでいる』という雰囲気が伝わり、モノというよりも人柄や会社の雰囲気でTOMORROWLANDに決めました。
染谷有紀(以下染谷):もし覚えていたらでいいんですが、就活中TOMORROWLANDに決めるまで、一番印象に残っている方やその方からの言葉はありますか?
雫田さん:ブランドも凛とした大人なブランドですし、働かれていた方もクリーンな印象だったのですが、人事の方が見た目とは裏腹に面白系で(笑)『TOMORROWLANDに入社して幸せになる方を求めます』という言葉や少しテーマパークのようですが『TOMORROWLANDは未完成です』と仰っていたのがとても印象的でした。自分自身ワクワクすることが好きだったので、最初の会社説明会で心つかまれていました。
染谷:なるほど。ヒト軸で決められたんですね。
雫田さん:そうですね。もちろん、好きな洋服がある環境で仕事をしたいという気持ちもありましたが、自分が自然体でいられる環境や人と働くことが一番自分のモチベーションになるというのを、いろいろな会社の会社説明会に行って改めて感じました。
森田:人事として働かれていて、いろんな方とお話されていると思いますが、TOMORROWLANDが好きというモノ軸で考えていらっしゃる方も多いですよね。好きなブランドやお店が無いとファッション業界は続けられないと思う方も多いと思うのですが、雫田さんはヒト軸でしたよね。それでも続けられたのはどうしてだと思いますか?
雫田さん:今まで着たことの無いジャンルの洋服だったので心配もありましたね。
染谷:そういう心配ありますよね!(笑)
雫田さん:はい。人柄にひかれて入ったけれど、果たしてこの洋服が似合うのか、この服を着て働くことが、イメージしていたものと少し違うなと思うことも正直ありました。ただ、普段の自分とはまた違った『仕事の自分』を『演じる』ではないですけれど、TPOに合わせて自分を変化させて楽しむことができるということがファッションの魅力でもあるとわかってからは、自然とそのブランドの洋服も好きになれました。
森田:確かに。こういうスタイリングもあるんだ!っていうのも気づけますもんね。
雫田さん:そうですね。先輩にスタイリングを教えてもらって新しい自分を見つけるということも楽しかったです。
―人事に異動されたきっかけは・・・
森田:入社されて、まずは販売スタッフからキャリアをスタートされたと思いますが、人事に異動されたきっかけは何だったんですか?
雫田さん:入社して3年目にお声がけいただいたのがきっかけでした。お店にいたときは将来は店長やVMDに携わってみたいなと思っていたので、全く予想していない部署からお声がかかって、嬉しい反面、なるほど・・・。というのが正直な気持ちでした(笑)ただ、やったことの無いことを初めから断るのは自分のポリシーとは違うなと思っていたので、『是非やらせてください!』と言いました。そして採用業務を担当することになりました。
異動したタイミングがちょうど新卒採用の真っ最中だったので、選考のアテンドや面接待ちの緊張をほぐさないといけない場面で逆に私が緊張してしまったりして(笑)最初はとにかくたくさんの学生さんとお話ししました。あとは、改めて会社の求めてる人物像だったりビジョンを間近で聞く機会が増えたので、いいお仕事をさせていただいているなと異動してすぐに感じていました。
染谷:いま新卒採用~中途採用、研修など幅広く携わられていると思いますが、忙しいですか?
雫田さん:今人事に異動してきて5年目ですが、コロナウイルスの影響もあり採用も落ち着いているので以前よりバタバタすることは減りました。
森田:そうなんですね。いまはどのようにモチベーションを保っていますか?
雫田さん:やはり後輩も増えてきて、自分が採用して入社した子がマネージャーになったり、売上で表彰されたりしているのを目にすることが本当に増えてきたので、それがモチベーションに繋がっています。あとはサポートをするのが好きということが根底にあるので、人と話したりどこかへ行ったりすることを大変だとはあまり思わないですね。
森田:人事は雫田さんのイメージされていた職種とは違ったと思いますが、異動されたあとの仕事のモチベーションはどうやって保たれていたのですか?
雫田さん:あまり人前で話す経験が無く、意見交換や自分で考えたものを提案することが向いていないと思っていて・・決められたことを自分流にアレンジしてやってみるという受け身のほうが多かったので、『考えてみていいよ』や『企画してみていいよ』という声が正解がない分、最初は本当に難しくて。ただ、チームがまずはやってみろ精神が強く、『まずはやってみて、ダメだったらまた一緒に考えようよ』というスタンスの方が多かったんです。
そういう環境が整っていたというのが大きなモチベーションに繋がっていたと思います。それは社内のどのチームでも結構共通するマインドですね。あとは細かい部分はすごく苦手なので、先輩にいろいろとご指導いただきましたが・・(笑)それぞれの強みを生かすというのでいいんだと思えて、自分が得意なことはやって、そうでないことは得意な人に任せてもいいんだと思えてからは変なストレスなく働けています。
森田:5年目で『次どのように成長していきたい』や『こうなりたい』という人物像を描いていたりはしますか?
雫田さん:お店が好きで立たせてもらうこともあるのですが、既存のお店のブラッシュアップやブランドの進化が会社の現在の目標です。近いところでお店作りを見ていることが多いので、もう一度現場でお客様に楽しんでいただけるようなお店作りをしてみたいなという気持ちもあります。人事の仕事に関しても自分ではまだまだだと思っていて、もっとTOMORROWLANDの魅力をより多くの方に知っていただけるような発信や時代に合わせた進化もしていきたいですね。
染谷:根本的にはお店作りが好きだから、現場が好きだから、お店を大切にされていらっしゃると思うんですね。様々なお店のキャリアアップがあると思いますが、それでもお店で働く意義などは何かありますか?
雫田さん:お店に来店する醍醐味って、欲しい商品を見に来ていただくだけではなく、それ以上の価値を持って帰っていただけると思っていてそれを直接提供できる場なのでとても大事だと思います。商品を購入していただいてお店や会社が成り立っているので、お店のスタッフは本当にすごいと思いますし、数ある商品知識やスタイリングをプロフェッショナルにしている人ばかりなのでお店のスタッフが個人的には一番かっこいいなと感じています。
お店にもいろいろな役割があります。全体を見る店長やレイアウト担当、ショップPRという形でお店のスタッフが専任という形で情報発信していく人もいたり・・・役割の垣根を越えて、より良いお店を作るためなら何をしてもいいよという考えがあるので、変化などに柔軟に対応できる方はこの会社にとても合うと思います。
染谷:やりたいことに積極的に手を挙げて、タイミングさえ合えば挑戦できる環境は整っているんですね。
雫田さん:そうですね。皆さんに伝えていることですが、言った者勝ちみたいなところもあるので(笑)自分のやりたいことは積極的に手を挙げ続けることで形になると思っていますし、自分で掴みに行くことが許されている環境なので、どんどん挑戦してほしいですね。
森田:雫田さんのように販売から本社に異動される方も結構多いんですか?
雫田さん:そうですね、多いですね。最近は若い方の異動や兼務が増えてきています。2,3年目でそういう働き方をしている方も増えてきています。
染谷:それは今の若い方たちが積極的に手を挙げることが増えているのか、それとも会社がそういう方を受け入れる体制が整ってきているのか、雫田さんはどちらだと思いますか?
雫田さん:会長の佐々木が若い力を吸収したい気持ちが強いので、若い方たちの意見を掬いながら会社を成長させていこうとしています。そういう意味では、受け入れる体制が整ってきているのではないでしょうか。創業当時から大事にしている『みんなで会社を作り上げていく』という気持ちが今改めて大事だと感じていますね。新卒も中途もやりたいことに手を挙げて挑戦してほしいと思います。特にSNSやECなどのデジタルの部署は若い方が多いですね。
森田:変化球の質問いいですか?(笑)2年前のインタビューを拝見して、『見た目も中身もかっこいい人事を作りたい』と仰られていましたが、2年たった今改めてどのように感じられていますか?
雫田さん:そんなことも言いましたね(笑)正直、見た目は店舗スタッフの方がかっこいいです(笑)ただ中身の部分で言うと、人を大切にしているチームですし、『会社をよくしていこう』とか『みんながやりがいをもって働ける環境を作ろう』ということにすごく前向きな部署なので、どの部署よりも一人一人真摯に向き合うというか、一辺倒な対応をしないという。人として素敵な人たちだなと働いていて思うので、そういうところがチームの自慢ですね。
あの人事の人がいるから入りたい!と思ってもらえるような人事や、パッと見て素敵だなと思えるチームでありたいと思いますね。
森田:2年たった今、改めて人事としての今後の目標はありますか?
雫田さん:そうですね。やっぱり新しいことを率先してやっていかないといけないなと思います。引き続き社員のモチベーションを引き上げていけるようなリーダーシップをとりたいです。あとはいろんな道を示してあげられる人でありたいなと思います。チームの中にもキャリアコンサルタントの資格を持っている方がいたり・・。自分たちのスキルアップも目指していかないといけないなと思っているので。いずれは自分も何かスキルとして身につけられるようなものを探したいなと思っています。
―人事でのお仕事のやりがいは・・・
森田:人事のお仕事の中でどういうときにやりがいを感じられていますか?
雫田さん:自分が採用した方たちが活躍しているシーンを見るのがやりがいになっていますね。親心じゃないですけど(笑)嬉しいなと思います。新卒の方だと入社後の研修でお店の配属発表の時に旅立っていくのを見るのも好きですし、中途の方だと登用試験に合格して、正社員としてまた新たに働き始めるというシーンも好きです。みなさんで楽しくやりがいをもって働いているなというのを垣間見れた時が一番嬉しいです。
―1日のお仕事の流れは・・・
森田:1日のお仕事の流れはどんな感じですか?
雫田さん:そうですね。特に決まってないんですが、大体誰かと話してます。全社員が会社のLineで連絡が取れるようになったので、よくLineで連絡を取ったり電話したりしてますね。デスクにずっといるっていうのはあまりないですかね。
最近は直接顔を合わせて研修することも減ってしまったので、様々な職種を紹介するというようなYouTubeを作るお仕事もやらせていただいています。スケジュールで言うと、PCに向かう業務は午前中に終わらせて午後からは他の部署とコミュニケーション取ったり、お店に行ってスタッフと話したりしていますね。 私自身あまり黙っていられない性格なので、1人で黙々とやっている方が逆に疲れてしまうので、人と話している方が自分には合ってるなと思います。
森田:そろそろお時間も迫ってきましたので、プライベトな質問を伺っていきたいと思います。
―愛用しているブランドは・・・
森田:雫田さんが普段から愛用されているブランドはありますか?
雫田さん:アクセサリ―のブランドで、青山にあるSUPER A MARKET(スーパーエーマーケット)で購入したんですが、8UED(スエード)という日本のブランドのイヤーカフ。
ネイチャーな葉っぱの柄や水面に水が落ちて波打っているのを表現しているものなど、自然と調和したデザインが素敵。これが最近のお気に入りです。アクセサリーをお守りみたいにつけるのも好きなので、シンプルに各所に1個ずつつけるのが好きですね。
森田:かわいいですね!
お洋服はTOMORROWLANDが多いですか?
雫田さん:多いですね。 ほとんどTOMORROWLANDで購入しています。 今日着ているオリジナルブランドのCABan(キャバン)もおすすめです。
―ファッションへのこだわりは・・・
森田:ファッションへのこだわりはありますか?
雫田さん:あまりないですね(笑)いいものを長く着るというのがすごく素敵だなと思ったのと、何歳になっても着られるアイテムを選ぶようになりました。もともとトレンド感満載なブランドではないですが、その中でもベーシックなものが好きなので、プラスでシーズンを感じるアクセやヘアスタイルをするのが好きです。
染谷:奮発して購入したものはありますか?
雫田さん:シューズです。マノロブラニクとかヒールのあるシューズは大事にしていて、説明会やイベントなど、一張羅の時にしか履かないですね(笑)その他はスニーカーのことが多いです。
―最後に
森田:ありがとうございます。では最後に。ファッション業界で働いている方やこれから働きたいと思っている方に一言お願いします。
雫田さん:このような状況で少なからず打撃を受けている業界でもありますし、いい印象を持っている方ばかりではないと思いますが、洋服は無くならないものですし、自分が着て楽しいと思うこともお客様を素敵にしてさしあげることもなくならないことなので、ファッションが好きという気持ちがあれば続けていけると思います。
特にTOMORROWLANDの場合は、お店のウィンドウの作りこみにもこだわっていたり、飲食業態もやっていて『ライフスタイルを豊かにする』ということをミッションに会社運営を行っているので、そこに興味がある方は是非働いていただきたいです。やりがいをもって働いていただけると思います。
TOMORROWLAND公式HP:https://www.tomorrowland.co.jp/
ここまでお読みいただきありがとうございました。
雫田さんは笑顔がとても素敵な方で、スタッフの方とコミュニケーションを取ることをとても大切にされていると感じました。自分が困ったときや壁にぶつかったときに相談したいと思える、そんな素敵な人事の方のいるTOMORROWLANDはとても魅力的な会社だと改めて思えた時間でした。
また、今回はトゥモローランドの『MACPHEE(マカフィー)』のニットを購入させていただきました。ラムとカシミヤの入ったニットはとても軽くて暖かく、オススメです。色も発色の綺麗なオレンジを選びました。顔色が明るく見えますよね。オレンジのほかにもブルーやグリーンがありましたので是非店頭でご覧になってみてください。
【本日のインタビュアー】
■森田夏乃(Morita Natsuno)
‘16年に新卒で某セレクトショップへ入社し、3年間販売員を経験したのち現職へ転職。コンサルタントを経験後、現在はPRを担当。10月からWILLWORKS×森田のInstagram(@natsuno_will.fashion)を開設し、フォロワーは約1600人。自身のInstagram(@___natsuno)のフォロワーは1.1万人。最近のブームはいろいろな洋服の通販サイトを見ること。SSのコレクションをチェック中。
■染谷有紀(Someya Yuki)
新卒で某セレクトショップ販売員としてキャリアをスタートさせ、その後人事制度・研修・採用業務を経験。現職ではコンサルタントを担当。最近のブームはコスメ・ヘアケア集め。お気に入りの香りのものを集めることにはまっている。好きな香りはウッディーなもの。