キャリアアップしたい、評価や年収を上げたい、転職したいなど、働いていればさまざまな悩みがあるものです。モヤモヤしたまま仕事をするより、解消して仕事を楽しみませんか?
これから2回に分けて、アパレル・ファッション業界のよくあるキャリアの悩みについて、前向きな解決法をご紹介します。前編は「悩みの整理の仕方」と接客や売上など「仕事に関する悩み解決」についてです。
何に不安を感じているのか、悩みの原因をはっきりさせましょう。例えば、転職したいと思っているのは、キャリアアップがしたいのか、今の職場に何かしらの不満があるのか。その不満は「人間関係なのか」「働き方に関することなのか」など整理してみましょう。すると、解決すべき課題が見えてくるはずです。
では、よくあるお悩みを具体的にみてみましょう。
→お客様の動きから、求められる接客のスタイルを見つけましょう。
明るい声かけ、挨拶は接客の基本。来店したお客様には積極的にお声がけしたいものです。来店したとき「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」しか声が聞こえない店舗では寂しく感じます。
しかし、お客様によって望む接客スタイルは異なります。販売員と相談しながら決めたい方もいれば、じっくり考えたい方もいます。大事なのは、お客様が望む接客スタイルを見極めること。来店のご挨拶の後、お客様の動きを見ながら、どのような接客を求めているのかを予測します。悩んだときは、店長や先輩に見てもらったり、それぞれの経験からつかんだことを聞いてみたりするのがいいのではないでしょうか。
販売員は売上に関して、個人や店舗での目標があるため、つい積極的に声をかけ商品を売り込んでしまいがちです。しかし重要なのは、お客様に心地よくお買い物をしていただくことや、「また来店したい」と思ってもらえることです。静かに見たいと言われた場合でも、「お手伝いできることがありましたら、お声がけください」というように、「いつでもお客様の傍にいます」という心構えを感じてもらうことがポイントです。
→基本は接客と同じ。相手のニーズやメリットを把握することが大事です。
クレームゼロをめざしたいところですが、なかなか難しいもの。店舗側のミスの場合は誠意を持って謝罪しましょう。心のこもった謝罪は必ずお客様に伝わります。
買ってみたけどサイズが合わなかった、気に入らなかったなど、お客様都合の場合でも、サイズや色の交換、在庫がない場合は他店舗に問い合わせてみるなど、できる範囲で対応してみましょう。お客様も「自分のために動いてくれている」と感じれば、気持ちが和らいでいくことでしょう。クレームが解決した後には、継続して来店してくださる良いお客様になる場合もあります。しかし、あまりにも理不尽なクレームの場合は、店長や本社に経緯を報告して対応を依頼するのがベターでしょう。
店長になると、店舗におけるクレーム対応については、すべての責任を負うことになります。クレームの対応の基本は、通常の接客と同じくお客様の立場になって考えてみること。販売員の時代から、コミュニケーション力を磨いておくことが、苦手意識を減らすことにつながります。
→レイアウトの変更やお客様への提案をしてみましょう。
販売員としては、できるだけ多くのお客様に購入してもらいたいですが、来店されても、何も買わずに帰られるお客様はいらっしゃいます。
あらためて、お客様が何も購入されない理由を考えてみましょう。例えば、「欲しいものが店舗になかった」ということなら、お探しのアイテムを聞き、代わりになるものを提案します。販売員としてのファッションセンスを武器に、お客様がお探しの色や形のアイテムと同じくらい、似合うものがあると提案してみましょう。
また、お客様自身が希望のアイテムを見つけられなかったため、相談することなく帰ってしまうこともあります。この場合は、ディスプレイやレイアウトに工夫が必要です。「色や柄が見やすいように陳列する」「アイテムや使用場面ごとに並べておく」「店舗全体を見渡せるようにしておく」など、店内の配置やブランドのコンセプト、顧客層などによって対応は変わります。
また、クリスマスなど、季節によって工夫することで、売上が伸びることもあります。魅力的な商品の見せ方について、本で学んだり、先輩からコツを聞いたりして少しずつ知識とセンスを身につけておきましょう。
時に、お客様のご要望やご意見を店長や本社に伝えておくことも必要です。企画提案ができる販売員として一目置かれ、希望の部署への異動のきっかけになるなど、自分が望むキャリアパスを描きやすくなります。
→雑誌やSNSなどの素敵な着こなしを見てポイントをつかみましょう。
お客様からすると、販売員は身近なモデル。販売員やマネキンの素敵なコーディネートを見て購入を決断する方も多いため、常に流行を追い、センスを磨いておきたいものです。
誰でも、最初は手探りです。アパレル・ファッション業界に入れば、すぐにセンスがよくなるわけではありません。雑誌や街を歩く人、他ブランドの販売員などを観察して、素敵な着こなしや流行のデザインや色合いを学んでいきます。また、身近な先輩に、ファッションセンスの磨き方を教えてもらうのもよいでしょう。
ほかにも、色彩検定のような資格の勉強をして、知識を補強する方法もあります。ブランドによっては、いち早くトレンドがわかる商品研修が行われることもあるため、積極的に参加したいものです。
次回は、キャリアアップや転職、求人に関する悩みについてみていきます。