アパレル・ライフスタイル業界での転職にまつわる豆知識
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転職にまつわる豆知識
現在では、アパレル業界でもインスタグラムを使い、インフルエンサーマーケティングに取り組んだり、顧客のエンゲージメントを高めたりすることに注力している企業は少なくはありません。特に新型コロナウィルスの影響により、消費者のSNSの利用機会が増加し、またアパレル業界では実店舗ではなくインターネットを通じたオンライン店舗の需要が急激に増加していることもアパレル企業のインスタグラムなどのSNS活用を促進しているといえるでしょう。中でもインスタグラムのインスタライブというライブ配信機能に着目し、上手く活用しているアパレル企業が多く見られます。実際に、インスタグラムは具体的な数字は公表していませんがFacebookの発表によれば、今年3月24日の時点で、インスタグラムとFacebookのライブ配信の視聴数はイタリアだけで、わずか1週間で2倍増を記録したというデータもあります。
そこで今回はインスタグラムのインスタライブ機能とは何なのか、アパレル企業がインスタライブ機能を使うことによりどのような利点が得られるのか、そして実際の活用例を見ていきたいと思います。
インスタライブとは、誰でも無料で登録できる有名SNS、インスタグラムの機能の1つです。事前に録画や撮影したものでなく、リアルタイムで今していることを手軽にインスタグラムに登録しているユーザーに向けて発信することができます。インスタグラムのアカウントを持っていれば誰でもも配信、視聴可能で、テレビ番組で言うと生放送、youtubeで言うとライブ配信がインスタライブに当たります。
インスタライブは視聴者がコメントをすることができます。そのコメントはライブ動画の画面左下に表示され、自分のものだけでなく閲覧しているすべての人のコメントが流れ、チャット感覚で楽しむことができる機能です。コメントする方法は画面下に出ている「コメントする」と書かれている欄に好きな言葉を打ち込むだけです。この機能を使えば、ライブ配信を視聴中の消費者が直接企業側に製品に対しての質問や要望を投げかけることができ、また企業側もその場で消費者の質問や要望に応えることが出来るのです。ただし、一度コメントをすると消すことができないので注意が必要です。
ライブ配信シェア機能とは、気に入ったライブ配信動画を誰かに送ってシェアすることができる機能です。ハートマークの左にある紙飛行機マークをタップすると、自分がフォローしているアカウントが表示されます。送りたい人を選択し送ると、送られた人は送られてきたライブ配信動画をタップするだけでダイレクトにライブ配信に参加可能になります。この機能があることにより、企業側にとってはより多くの人に製品やブランドを知ってもらえる可能性が高まります。
インスタライブの一番のメリットは、モデルが実際に製品を試着して着心地や素材感、コーデなどを疑似体験してくれることによって、消費者の購入までのハードルを大幅に下げることが可能になることです。製品の素材感、サイズ感や着心地に対しての消費者側からの質問にもその場で直接回答することができます。
雑誌などで着回しコーデを紹介する場合、雑誌を見た消費者が商品を購入したいと思っても、ブランド名を確認し、自分のスマホを取りに行き、ブランド名を検索もしくはQRコードを利用してECサイトにアクセスするという幾つかの工程が必要になってしまいます。大半の消費者にとっては、今はスマホが手元にないから後から確認しようと思われてしまい、そのまま消費者が忘れることによって売上が生まれる機会がなくなってしまうケースの方が多いでしょう。しかしインスタライブを利用した場合は、ECサイトへの誘導も容易になるので、そうした機会損失のリスクを減らすこともできます。インスタライブであれば投稿を見て商品を気に入り、キャプション画面を確認してECサイトへと遷移するという短い工程でECサイトへと消費者を誘導することができます。インスタライブの配信画面から簡単にECサイトへと消費者を誘導することができるのは、売上確保を考える上で非常に大きなメリットであることが分かるでしょう。
以前は、インスタグラムは単に自社が開催しているお得なキャンペーンやフォロワー限定のクーポンの配布など、消費者にお得感を与えて消費行動を促すために使われることの多いツールでした。しかし現在ではインスタグラムはそうした単なる情報発信ツールに留まらず、インスタライブ配信を通して消費者に対してダイレクトに自社のブランドイメージを発信できる一種の広告媒体へと進化しています。アパレル企業がインスタライブ配信を積極的に行うことは、現時点での顧客やフォロワーに製品をアピールし消費を促すだけでなく、視聴者がインスタライブの配信シェア機能などを使うことにより、新規の顧客や将来的な顧客を獲得する可能性を高めるのです。
Ameri VINTAGEさんはインスタライブを積極的に活用し、インスタライブの一番のメリットである、販売員がモデルとなり実際に自社の製品を試着して着心地や素材感、コーディネートなどを疑似体験することによって、消費者の購買欲を促進させている一例といえるでしょう。インスタライブの中で実際に素材感を詳細に視聴者に説明したり、実際に着ないとわからない製品の良い部分、また悪い部分もその場で視聴者に伝えています。
こちらのブランドはモデルの黒木なつみさんがデザイナー兼プロデューサーとして就任し、設立されました。こちらのブランドもインスタライブ機能を有効に活用しているブランドの一例です。VICENTEが他のブランドと大きく異なる点は、デザイナーである黒木さん本人がインスタライブの配信機能を使って自社の商品の魅力を消費者に発信していることです。ライブ配信中はユーザーがコメントを書き込めるようになっているので、素材や質感を説明して欲しい、実際に着ているところのイメージを知りたいなどの視聴者からの要望にも直接答えています。また、VICENTEではセール情報もインスタグラムのストーリーズで消費者にシェアしています。
3. foufou
foufouは実店舗を持たず、販路は同社ECサイトのみという、D2C(Direct to Consumer)ブランドです。代表兼デザイナーのマール・コウサカさんが2016年に1人で立ち上げ、最初はハンドメイドで始めたというブランドです。このブランドでは、新型コロナウィルスの影響で中止になった全国での展示会をする代わりに、インスタライブ配信に注力しています。foufouのインスタライブでは、モデルではなくそれぞれ身長が異なるスタッフが商品を試着し、動画で自社の服をアピールしています。実際にインスタライブを見て商品を購入した消費者からは、これまでは試着なしで商品を購入することには抵抗があったけれど、モデルではなく親しみやすい体型の方がきれいに着こなしている様子を見て、ブランドを応援しているという気持ちにもなれ、購入を決めたという実際の声もあったそうです。
(東洋経済出典:https://toyokeizai.net/articles/-/357339?page=4)
まとめ
現在では、インスタグラムを含めてSNSを通した様々な情報配信方法があります。その中でもアパレル業界においては、製品の情報やブランドイメージを直接的に消費者に伝えることのできるインスタライブという機能を上手く活用することにより、新規顧客獲得や売り上げ増加に成功しているアパレル企業を見ることができます。実店舗に代わってオンラインサイトでの消費が高まっている今、インスタライブなどのSNSを活用した情報発信はアパレル業界に欠かせないものとなりつつあるといえるでしょう。
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