新型コロナウイルス感染拡大の影響で、売り上げ不振に喘ぐアパレル業界が続出する中で、リモートワークの導入によって、時代の変化に対応する企業を前後編でご紹介する本シリーズ。前編では、さまざまなツールを使ってリモート接客を行なっている3社の事例をご紹介しました。後編では、接客以外の方法でリモートワークを取り入れている事例や、リモートワークの拡大で成功する企業の見分け方などをご紹介します。
アパレル企業D社は、自由に外出できない子供たちに向けて「ぬり絵の無料提供」を行なっています。
D社の商品は発展途上国で生産されているのですが、その「ぬり絵」には商品を生産している国々の名物や名所、商品ができるまでのストーリーなどが描かれています。ぬり絵は郵送(送料無料)やダウンロードで手に入れることができ、「お絵かきコンテスト」を企画するなどして盛り上がっています。
この取り組みによって
・発展途上国の経済を支援するビジョンを社会に伝える
・子供たちに楽しみを提供する
・各国の魅力を伝える
・結果的にブランドイメージの向上とブランドの訴求
につながっています。
またD社では、生産現場のドキュメンタリーや、商品の試着動画などをYouTubeにアップすることでwebからの販路拡大を図るなど、リモートワークの選択肢を広げる取り組みを行っています。
セレクトショップE社は、新型コロナ以前から全てのスタッフが経営サイドに近い業務を担当していたため、実店舗を休業しても仕事内容は大きく変わらなかったといいます。
具体的には
・商品の買い付け
・VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)
・PR・広報
・展示会への参加
など、新型コロナで店舗休業中も様々な業務をリモートで行っていました。
さらに、店舗休業中もインスタグラムをスタッフ間で運営して情報発信を続けるなど、顧客獲得、商品訴求を継続。年功序列ではなく、完全実力主義で店舗運営を行うことで、スタッフ一人ひとりが与えられた状況下でいかに結果を出すか?に注力し、新たなツールの導入や、業務革新につながっています。
アパレル企業F社は、ツイッターで着用モデルのリモートアルバイトを募集し、1万1000以上リツイートされ、話題となりました。F社は元々ECサイトで事業展開をしていたため、新型コロナの影響を直接受けることはありませんでした。
しかし、モデルによる着用イメージの撮影ができなくなったため、着用モデルのリモートアルバイト採用を開始。採用する際に、普通のモデルではなく、新型コロナによる休業で仕事がなくなったアパレル販売員を対象にしたことが共感を呼び、大きな反響につながりました。
自宅での着用モデルという、新たなリモートワークの選択肢を業界に提示した功績も大きいでしょう。
アパレル系のテクノロジーを手掛けているG社は、2019年から
・始業・終業時間を自由に選択できる「フルフレックスタイム制度」
・好きな場所で働くことができる「フルリモートワーク制度」
を導入しています。
この2つの制度により、月間所定労働時間さえ満たしていれば好きな時間に好きな場所で働くことができるため、新型コロナで外出自粛となってもほとんど影響がなかったようです。
アパレル系テクノロジー企業のH社の開発部門は、新型コロナ以前からリモートワークの求人を行なっていました。
H社も、出社は週三日、コアタイムの設定など、条件付きながら、フレックス出勤、リモート勤務の推進を図ってきました。G社、H社のようなテクノロジー・クリエイティブ系の業種はリモートワークと相性がいいため、アパレルの中でもテクノロジーを主力業務とする企業は今後もリモート化が進んでいくとみられます。
アパレル企業がリモートワークの業務を拡大するには
・オンライン接客の導入
・ECサイトの強化
・SNSやYouTubeなど、オンライン発信の強化
・テクノロジー業務への拡大、転換
などが必要です。
アパレル業界への転職を考える際は、上記の選択肢を満たしている企業かどうか?に注目することで、失敗を避けることができるでしょう。
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